・カラスによる被害と対策

カラスは雑食で目ざとい習性ですから、人の周辺で食べ物がありそうなところは欠かさず狙ってきますが、ポイントを押さえて対策し、大きな被害は防ぎたいものです。うちの畑での、カラスの被害と対策をご紹介します。他にも良い方法があれば、教えていただきたいです。

<作物を食べられることへの対策>

被害:カラスに畑の作物を食べられることがあります。今までに、トウモロコシ、トマト、スイカ、地這いキュウリ、ナス等の被害がありました。

カラスに食べられたナス
カラスに食べられたナス
カラスに食べられたスイカ
カラスに食べられたスイカ

 対策【糸をはる】:防鳥糸(鳥除け糸)を張ることで、カラスによる被害は、ほぼ完全に防ぐことができています。少しでも被害に遭ったのを発見したらすぐに、写真のように糸を張ります。糸は、ホームセンター等で簡単に手に入る黄色のものを使っています。

 糸の張り方のポイントは、作物の足元の周囲にぐるりと張り巡らせ、作物の頭上にも張ること。足元の方はカラスが歩いて入るのを防ぐためなので、カラスの背丈より少し上程度の高さまでを23重位に、カラスの身体が当たりそうな位置に張ります。頭上の方はカラスが飛んで入るのを防ぐためですが、見えにくい細い糸が羽根に当たるのを嫌がるので、それ程厳重に張らなくても、写真のように大き目でも効果があります。

ナスの周囲に防鳥糸を張ってカラス除けとする
ナスの周囲に防鳥糸を張ってカラス除けとする

写真に写っている上向き斜めの支柱はナスを2本仕立てにするためのものですが、それを利用して上に糸を張りました。下方は、短い笹竹を打ち込み、ナスを囲うように5重に(少し念入りにしました)糸を張りました。今年は、生りはじめのナスをつついて食べられましたが、すぐに糸を張ることで被害は止まり、たくさんのナスの実りを手にすることができました。

どの作物の場合でも、カラスに対しては「上からの侵入」と「下の横からの侵入」を防ぐ視点で糸を張っています。

 防鳥糸の良いところは、用途や場所の大きさに合わせて自由自在に張れること。畑に持ち込む人工物を極力少なくしたいですし、最小限の防御で済む方が無駄も少なく、作物の手入れや収穫の際にも邪魔になりません。収穫の時期が終わったら糸巻き(うちでは木の板を利用)に巻いて収納しておけば場所を取らず、また繰り返し使えることも魅力です。

 

<畑に返した生ごみを荒らされることへの対策>

被害:家の前に畑があるので、毎日の食卓から出る生ごみ(野菜や果物の皮やヘタ、卵の殻、肉や魚の骨や貝殻等)を畑の畝の上に直接返していたのですが、次第にカラスに荒らされるようになりました。近くの山や雑木林に巣があるようです。留守の間に荒らされるだけでなく、私が畑に出て何かしていると低空飛行で様子を見に来るようになりました。そのうちに、私が家の中から外に出たり外から家に帰ってきただけでも、カラスが飛んできて畑が見渡せる電柱の上に止まるという、お出迎えがあるようになりました。

 

対策:

  1. 【返し方の工夫】夕方薄暗くなってから家の外に出た時には、カラスのお出迎えが無いことに気づきました。そこで、薄暗くなるのを待ってから夕方に生ごみを畑に返すようにしています。また、カラスは非常に視力が良いそうなので、生ごみは上空から丸見えにならないよう、草が高く茂っている畝に振り撒いたり、刈った草の下に隠すようにしています。これだけの心がけで、次第にお出迎えは無くなり、生ごみを荒らされる被害も完全に無くなったわけではありませんが、ほとんど気にならない程度にまで減っています。
  2. 【コンポストの利用】耕していない畝の上に生ごみを直接返すことは、その単純さが魅力ですが、ネズミによる被害等への対策も含め、今後はコンポストの設置も考えています。コンポストの中で完全に朽ちさせてから畑に返すことにより、生ごみを荒らされる被害は無くなると考えています。ただ、野菜の皮やヘタ等、カラスやネズミに狙われにくいものは直接畑に返す方が、より単純で合理的な方法なので続けたいと思います。
  3. 【追い払う】カラスが飛んできて畑が見渡せるところに止まることがありますが、そのままにせず、面倒でも「こらー、あっち行けー!」等と大声で叫んだり、棒等を振り回したりして、必ず逃げるまで追い払うようにしています。カラスは賢い鳥なので、そういった行動から「歓迎されていない」ということは感じ取っているようです。

2019/11/11 三重県 Sさん投稿)

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