・田んぼの水管理・赤枯れと間断灌水

10年ほど放棄された田んぼを開墾して2年目の自然農田んぼです。

 

有機物の多い田んぼでは水を常に溜めているとそれらが分解され、地中にガスが溜まったり、悪臭がしたり、水が濁ったり、油が浮いてきたりします。

その状態が続くと根が酸素を吸えなくなり下葉が枯れてきます。

こうなると生育が悪くなり、ひどい場合には稲が枯れてしまいます。同じ田んぼでも生育が良い場所と悪い場所があり、例えば水がずっと停滞している場所は、水の温度が上がりやすく有機物も分解されやすいのでガスが溜まりやすいです。(稲にとっては冷たい水より温かい水の方が良い)

 

また水が停滞している所は新鮮な水が入ってこないので、水の養分も過多になり、根が茶色くなり酸素が吸えなくなります。

対処法として田んぼの水を抜いてあげるのが良いです。土がひび割れない程度に干します。土が大きくひび割れるほど干してしまうと稲の根が切れますので干しすぎは注意です。適度に水を抜いて土を乾かすことにより、土中のガスが抜けて酸素がいきわたり、再び根に活力が生まれます。根は水を求めて成長し、白い根が沢山生えてきます。

 

地表には水がないものの土には水が含まれている状態を飽水状態といいますが、その状態を2~3日保ちます。土を指で押してみて、水がジワーと上がってこなくなれば再び水を入れます。

私の田んぼでは2~3日水を溜めて2~3日水を抜くというのを繰り返しています。

穂ばらみ期までは、この間断灌水を徹底して、稲にグングン成長してもらいます。穂ばらみ期になったら、お米を作る営みには水が欠かせないので、様子を見ながらなるべく水を切らさないようにします。分蘖期には定期的に水を抜いてガス抜きする事で、稲の成長が良くなるようです。自然農では中干しはせずに、間断灌水を基本としています。

 

田んぼの状態や環境で応じ方も変わると思いますので一つの参考にして頂ければと思います。

(2022/7/28 熊本県 鐘ヶ江貴裕さん投稿)

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