問題1:一昨年、米づくりの過程で葉イモチ病が発生。その後、水を控える様に教示をいただき、一旦は進行を止めたかに見えましたが、2週間ほどして再度灌水したところ、葉イモチから穂首イモチ、さらには穂イモチへと病状が悪化の一途をたどった。全滅はまぬがれたものの、収量は激減した。
原因は、引いている水が冷水か若しくは養分過多とのことであるが、いまだに何れであるか、つきとめる迄にはいたっていない。
(奈良県 Oさん)
問題2:昨年も今年も、お米の苗床で葉いもち病が出ました。品種は、赤米、黒米(紫黒苑)、緑米を並びで作っていますが、すべての品種に出ました。
この田んぼは、今年で3年目です。養分過多な感じはしていません。
昨年も今年も、苗床に種籾を多めに降ろしたので密植となり、風通しが悪かったかもしれません。
また昨年に関しては、雨が少なく苗床が乾燥気味だったところに一気に除草の作業をしたら、翌日にはサーッと一面に葉いもち病が出ました。その時は、苗の足元にたくさん生えて湿りを保っていた草が急に無くなり乾燥してしまったことが原因のようにも感じました。除草作業の前か後に水をあげたら良かったかもしれません。
ただ、昨年も今年も、田植えをすれば徐々に回復し、最終的には問題無く育ちました。
来年は、苗床に降ろす種籾の量を少し減らし、密植にならないように心がけようと考えていますが、他にこれといった、いもち病対策は思いついていません。
(三重県 Sさん)
編集記:いもち病は、少しの場合はそのうち治まっていき問題にならないことも多いですが、ひどい場合は大変ですね。
他のいろいろな病気と同じく原因は決まっておらず、考えられる原因も一つ二つではなく、いろいろな場合が考えられると思います。
今のところ、
・水が冷たい
・養分過多
・密植
・風通しが悪い
・乾燥(苗床の除草による急な環境の変化)
……等、考えられる原因を寄せていただきましたが、他にも感じておられることはありませんか?
いもち病にまつわる体験談や、原因の見極め方、応じ方、解決されたご経験などのお話がありましたら、是非お寄せください。
写真もあれば分かりやすいと思うので、お持ちの方はご提供ください。(2014/12/ 29)
解決策1:自然農を始めて7年めくらいの田んぼ。
中山間地の棚田。日照時間は、朝8時くらいから5時くらいまで9時間くらい。
水は山からの湧水、とても冷たい。
畦の草をたくさん投入した箇所の稲が、不思議なミシン目の穴をたくさんあけられ、葉先を切り落とされてしまいました。
これは稲ゾウムシの食害。しかしなぜこんな不思議な食べ方をするのか、気になって仕方ありませんでした。
そこで、稲をじっくり観察してみると、いもち病特有の斑点ができていました。
つまり、畦の草をたくさん投入したためにそこだけ養分過多になり、さらに冷たい山水が直接当たったため、いもち病になりかけていた。
いもち病は、地上部と、地下部のバランスが崩れた時に起きる病気のようです。地下部の働きが弱っている時に、養分過多になると地上部の葉茎ばかりに養分が偏り、病気になる。冷たい山水のせいで、根の成長がおもわしくないのに、畦草のせいで地上部が養分過多になっていたと思われます。
「イモチが出たら葉を切れ」
自然農法の福岡正信さんの著作にそのような記述があります。葉を切り落とすことで、地下部に向かうエネルギーを増やし、しっかりと根を成長させる。
それを稲ゾウムシがやってくれていたのです。
(葉茎の伸びすぎたネギ類の移植を行う時も、ひょろひょろに伸びた稲苗を田植えする時も、葉を切り落としますが、これも同じ理由からです。苗床でのイモチは、密植で徒長し、地上部が伸びすぎたためではないでしょうか?そんな時に一気に除草作業をすると、根を損ね、余計にバランスが悪くなります。)
農夫である私たちの仕事は?
あまりにもひどい場合は、できるだけ地下部の成長を促す作業をします。田んぼの水を一時的に止めたり、葉先を切り落としたり。しかし、自然界のバランス調節機能を見守ることも一つの方法である気がします。
してはならない事は?
さらなる補い、深水、冷たい水のかけ流しなど。
(2015/2/16 愛媛県Yさん投稿)
経験談1:自然農の田んぼをはじめて3年目頃に、発芽後しばらくしてから、苗床に米ぬかを振り撒いたところ、苗にいもち病が出ました。養分過多によるものと考えられたので、それ以降7~8年間、苗床への米ぬか等を振り撒いたことはありませんが、稲は毎年元気に健康に育っています。
田んぼの条件は、平坦地で耕作土は深いです。近くに川がありますが、過去に川が氾濫を繰り返していたところは、土が肥沃であると考えられます。
また、毎冬、裏作の麦を栽培しているので、田んぼが肥える感じがしており、そのため地力があるのかもしれません。
(2015/10/11 兵庫県Nさん談)
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