・瓜科野菜のウリハムシ(ウリバエ)による被害

 問題:南京(カボチャ)、西瓜(スイカ)、胡瓜(キュウリ)、冬瓜(トウガン)、苦瓜(ニガウリ・ゴーヤ)、ズッキーニ、マクワウリ、ヘチマ、メロン、瓢箪(ヒョウタン)等のウリ類野菜は、苗が幼い時期にウリハムシに葉を食べられてしまうことがあります。苗がある程度大きく育てば、成長の速度の方が早くなりますので、多少食べられても心配はありませんが、苗が幼い時には食べられるに任せていると無くなってしまうこともありますので、対策が必要となります。

ウリハムシに食べられている苗
ウリハムシに食べられている苗
右がウリハムシの成虫 (左はウリハムシモドキの成虫)
右がウリハムシの成虫 (左はウリハムシモドキの成虫)

 

解決策1【アンドンで囲う】: ウリハムシは水平方向からやって来る、真上から降下することは出来ない、という性質がありますので、苗の周囲を少し狭く囲うことによって、被害を防ぐことができます。

この方法は行燈(あんどん)と言って、囲う素材は何でも良いのですが、私が行っている方法をご紹介いたします。

 

■行燈の簡単な作り方

  1. 30㎏用の米袋を用意します。
  2. 上の紐を丁寧にはがし、下のマチの部分も丁寧にはがします。
  3. 縦方向に3等分して、ハサミで切ります。
  4. 米袋は3枚重ねになっているため、1つの袋から9個の行燈が取れます。

 

■行燈の設置方法

1.

笹竹などを4本用意して、行燈の大きさに合わせて苗の周りに刺します。この時、行燈を置きながら、まず対角の2本をゆるめに刺し、次いで残りの対角の2本を行燈を広げながらピンと張るように刺すと、綺麗に行燈が張れます。

2.
ピンと張れたら、行燈を少し上に持ち上げ、下から5センチ位の隙間を開けます。こうすることによって風通しが良くなり、苗の成長に欠かせない風(空気)の恵みをもらうことができます。また、米袋の下を地面から浮かせることで米袋が湿らないので破れにくくなり、行燈を3年位は使いまわすことができます。紙なのに強いところも、米袋の良いところです。浮かせることでウリハムシが下から入ってくるのではないか?とも思うのですが、高さ5センチ位の隙間であれば今のところ大丈夫です。

 

■行燈の外し方

1.
行燈のはずし時は、作物が行燈の上から飛び出して勢いよく育ち始めた頃を目安として、作物があまり大きくなり過ぎないうちに、はずすようにしています。

この位育てば、行燈をはずしても大丈夫です
この位育てば、行燈をはずしても大丈夫です

行燈をはずす前に、まず周囲の草を刈り過ぎない程度に適度に刈ってから、行燈を(使いまわしたいので)破かないよう丁寧に外し、草を刈った上に作物を寝かせます。

2.
もし畝の地力が少なくて補いたい時には、行燈をはずす前に周囲の草を刈った時点で、刈った畦草や、冬の間に刈って積んでおいた枯草等を多めに乗せてから、行燈をはずし、そのフカフカに積んだ草の上に作物を寝かせます。そうすると勢いがついて、その後の苗の生育が良いです。

草をたくさん積んだところに苗を寝かせると、その後の成長に勢いがつく
草をたくさん積んだところに苗を寝かせると、その後の成長に勢いがつく

(以上、2016/11/14 三重県 佐藤美佳子さん投稿)

 

解決策2【アンドンで囲う】:瓜科野菜は、芽がでても、ウリバエ(ウリハムシ)にやられてしまうことがあり、最初は周辺の草を刈りすぎないように、高さのある状態で草をのこして、対策しましたが、それでは、陽当たりも悪く、風も通りづらい上に、対策にはならず、葉を弱らせ、生育を妨げてしまっていました。

最近は、米袋で「あんどん」をつくりました。その対策で、ウリバエにやられることはなくなりました。(2016/10/21 奈良県 Mさん投稿より抜粋)

 

編集記ウリハムシ対策にはアンドンが効果的という、2つの体験談をご投稿いただきました。

 自然農の学びの場では、周囲の草を刈り過ぎなければ、行燈で囲わなくても大丈夫…と教わったので、私も何度か試みましたが、なかなかうまくいきませんでした。Mさんも書かれているように「風通しが悪くなる」と感じることもあります。やはりコツがあるのではないかと思いますので、周囲の草を生かしてウリハムシ対策としている方がおられましたら、是非、体験談をお寄せください。

 他にも、調べていましたら「ウリハムシはネギの臭いが嫌いなので、瓜科の苗の近くにネギ類を植える。あるいは、玉ねぎの葉をちぎって置くだけでも効果的」と書いてあるサイトがありました。大変興味深いのですが、これは本当ですか? 体験談をお持ちの方がおられましたら、是非お寄せください。(2016/12/22)

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