経験談:有機栽培の畑の片隅を借りて、自然農にて野菜を育てています。
水田に2メートル弱の高さで土を盛った畑地で、日当り、風の通り、水はけは良好です。雨の少ないときは乾きやすいですが、冬季は比較的湿りが保たれています。夏季の最高気温は平均30℃位、厳寒期の最低気温は平均で氷点下1℃前後です。
夏から秋にかけては、こぼれ種の中玉トマトやカボチャを育て、秋から冬にかけて大根をバラ播きにするということをここ3年ほど続けています。
去年の9月初めに源助大根、二年子雪の下大根の古種(2〜3位前に購入したもの)をバラ播きしました。他に前年のこぼれ種(源助大根、大蔵大根、ビタミン大根等、交雑の可能性あり)も発芽したと思われます。
間引きはほとんどせず、あまり手をかけていませんが生育は良好で、太い大根も収穫できました。
霜が強く降り始めた12月から1月頃は、外側の葉が霜でしおれる程度で中の方の葉は青々としていましたが、2月になると茎葉全体が白っぽく枯れたようになりました。よく見ると茎にハクサイダニの群れが動いていました。
ハクサイダニは、胴体は黒く脚は赤い色をしており、1ミリ弱ほどの大きさで、夏季は卵で休眠していますが、低温期になると発生し、ほとんどの冬野菜や野草に寄生し茎葉から汁を吸い、被害を受けた株は葉が白っぽくなり枯死します。そのため葉物野菜での影響が甚大です。低温期のため天敵がいないとのことです。
有機農家さんの話しでは、この畑は以前からハクサイダニの発生が多いので、発生前に収穫を終えるような作付けや比較的被害の少ないキャベツを作るなどの工夫を行なっているようです。
解決策へのヒント:観察してみると、大根をバラ播きしたまま間引きせず、密集状態になっているところでは被害がひどいのですが、そのすぐ隣で大根がまばらに生えてきて、他の草とともに育ったところでは葉が青々としていて、近くにある水菜にも被害がありません。
風通しに関しては、植生の量に違いはなく、どちらも変りはないように思われます。
被害を受けていないところでは、大根の一株一株に十分な空間があることで、大根のいのちが健全に育まれたと考えられること、周囲には様々な草が共に生えて多様性が保たれていることで、ハクサイダニが大根に集中しにくい環境になっているのではないかと思われます。(2017/3/14 神奈川県 Bさん投稿)
編集記: 虫の問題は、本当に多く寄せられています。ハクサイダニについて、ご経験のおありの方は更にこの続きでお寄せいただきましたら、対策が見えてくると思います。
ハクサイダニの写真、ありませんか? オリジナルのもので使わせていただいても良いものがあれば、是非お寄せください。(2017/4/3)
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