【苗作り】
約7畝の水田に苗づくりを4月20日行なう。
1.2m×3.8mの苗床に籾種1合
(約7畝の水田に対して、この大きさの苗床を2枚作り、籾種は合計2合使う)
4m幅の畝の端に3.8m×約2m幅の場所を用意し、草を刈り、外に出し、苗床用1.2m×3.8m幅の表面3~4cm位を平鍬で削り出す。今を生きている草とこれから芽を出す夏草の種を取り除くのが目的。そこにていねいに籾種を降ろし、覆土5mm~1cm位、種が見えなくなる程度に粉砕した土をていねいに均一にかむせる。
モグラ、ネズミ対策として3.8m×2mの周囲に溝を冬の間にスコップで掘り上げておく。その土の底2/3程の土(草の種のない部分)を覆土に用いる。
掘り上げたすぐは粉砕し難いゆえに冬期に凍結ないし少し乾燥させておく。
覆土後、刈り取った青草を土が見えなくなる程度に振りまき敷いておく。
その上に鳥よけ、小動物対策に木の枝を適当に置く。あるいは鳥よけの糸を張っておく。
約20日間で発芽。約二ヶ月後に田植え。
【オケラによる被害と、その後の対応】
ところで約一ヶ月後に発芽していないことに気付く。全体の2/3が発芽せず、オケラに種子を食べられたことがわかる。
急いで1ヶ月遅れで5月25日頃、種降ろしを再度行なう。
苗代周囲に幅10~15cm位の板を立てる。(地面に3cm位差し込む)
しばらく後、スキマからオケラが中に入っていることがわかる。被覆した草の下に入って、種を食べ続けることに気づき、草を取り去る。
発芽の為の湿りを保つべくのかむせた草を取り除いた為に、上の土が乾燥してくればジョウロで潅水する。
苗が5~7cm位に育った頃、足元の除草を行い、米ぬか1.5合~2合位補いの為上から均一に振りまき、稲藁で葉にかかっているのをていねいに落としておく。
田植え一週間前頃2度目の除草。(1度目は少ししか草は生えていなかった。)
【田植え】
6月25日、水田に水を入れ、水を漏らさない為に畦練りを行なう。低い方に面した場所のみ。塗り上げて仕上げたところに約50cm株間で大豆の種2粒ずつ降ろす。
苗代にも初めて水が入る。
苗代期間2ヶ月の苗は30~32cmで2~3本に分蘖始まっている。健全な苗は条間50cm×株間45cm1本植えとする。
苗代期間半分の1ヶ月の苗は10~12cmで短く茎も細く弱いゆえに2本植えとする。
黒米、赤米早生種は50cm×40cmで株間を晩生種より5cmせまくする。成育期間が短いゆえに分蘖数が少なくなるので株間をせまくする。
田植え時に水位は溝に満水で畝上は1~2cm位で作業する。
【水管理・除草】
その後の水管理は畝上1~2cm、低い凹地は5cm位の水位で、10日に一度は溝の1/2位までとし畝上は水を無くして株が健全に育つべく水を多すぎないようにする。
除草は田植え1週間後活着した頃から一条置きに1回目を行い、早生種は残りの一条の除草を7月下旬に行い、1回目の条間にも手をのばして草を刈りその場に敷いておく。除草が遅れると茎を増やしつつ成育していくのに支障をきたすので早い目に行なうことが重要。
晩生種は8月10日頃までに2回目の除草を終えて終りとする。
超晩生種のみどり米は8月15日頃除草の仕上げとする。
水は稲刈り10日前に落水、排水する。
【稲刈り】
稲刈りは早生の黒米は11月2日頃、晩生種、中生種は11月15日頃に行なう。
超晩生種みどり米は12月7日稲刈りする。
稲木を立てて自然乾燥約1ヶ月間する。
【脱穀】
脱穀は足踏み脱穀機で12月17日に行なう。
大きな篩と唐箕を用いて風選してきれいな籾に仕上げ紙袋に入れる。収量は昨年と同量で1ヶ月遅れの種降ろしが2/3だったが、問題招かずだった。玄米で20kg入り紙袋12袋。
成育を助けるべく2本植えにしたのと前半1ヶ月は水を畝上に保ち続けたゆえだったように考えられる。
【苗代のことで思うこと】
苗代期間に籾種をオケラに食べられたのは、自然農約40年間で初めてのこと。今までは一度もなかったので安心していたゆえに気付くのが遅れる。
自然農に入る前の23年間は水苗代だったゆえにオケラの害はなかった。
水苗代の苗は陸苗代のより軟弱で小さかったのと苗代期間2ヶ月間の水管理に労力必要となり、苗取り作業も労力を必要とした。労力も苗の健全さも陸苗代の方が大いによい結果となる。
(2019/2/16 奈良県 川口由一さん投稿)
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