経験談:私が住んでいる地域では、夏も近くになるとコガネムシなどの虫が発生して果樹の葉を食害します。広葉樹全般の葉を食害しますが、果樹では特にスモモと桃の葉への被害が大きいです。(経験上、スモモのほうに虫が集まりやすい)
昨年、私の果樹畑では植え付け一年目のスモモにコガネムシ(写真)が大量に発生し、すべての葉を食べつくし、ほとんど裸木のような状態になってしまいました。このような被害はできるだけ避けたいものです。
コガネムシは木を揺らして追い払ってもまたすぐに飛んできて葉を食べますし、何十匹、何百匹と発生すると手に負えません。だからといって、農薬をまくわけにもいきません。
あとで気づきましたが、昨年あれだけ異常にスモモの葉に大量のコガネムシが発生したのは、あきらかにコガネムシのエサとなる植物が周囲になかったからです。というのも、私が果樹周辺の草を刈りすぎて、コガネムシのエサとなる特定の植物を除去してしまっていました。こうなるとコガネムシの食べるものは果樹の葉しかなくなり、これが原因となって昨年は大量のコガネムシが果樹に押し寄せて大きな被害を受けてしまいました。
自然農では、草や虫を敵とせず、畑やその土地に生える植物と、そこで生きる虫たちの自然のバランスと秩序を考えることが大切ですが、去年はその点について配慮が欠けていました。草をあらかた刈って、虫のエサとなる植物がなくなれば、畑の作物や果樹のほうを荒らしにくるのは当然の成り行きです。
そこで、今年は対策として(対策というよりは自然農では基本的なことかもしれませんが…)、果樹周辺の草を多めに残して刈ることにしました。私の畑では、果樹の近くでカボチャも育てているので、果樹やそれらの作物の成長を害さない程度に(陽当たりや風通しが悪くならない程度に)草を刈り、コガネムシのエサとなる植物をできるだけ残すことで果樹への被害は抑えられると思いました。
毎日畑で観察していると、どの虫がどの植物を好み、どの植物に集まりやすいかということがわかってきます。エサとなる植物が周囲にあれば、それだけ果樹や野菜のほうにやってくる虫も減ります。虫が好む植物を残すことで、畑全体の自然のバランスが保たれ、被害も発生しにくいのではと思います。昨年は、植物と虫との共生とバランスについて配慮不足でした。
その土地のその時期に生える植物には必ず意味があり、また発生する虫にも意味があると思うので、その生命の自然の秩序と営みをできるだけ壊さないことが大切だと改めて認識しました。畑全体を広く見渡したうえで、自ずからなる命の営みとその秩序を察知し、それを壊さず、調和の取れた美しい畑を目指していきたいと思います。
(2019/7/8 青森県 花心さん投稿)
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