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≪2017年の投稿記事≫

・水田における自然農による麦、小麦栽培について

  表作(夏作)の水稲収穫後、裏作(冬作)に麦、小麦を育てることは、日本の気候風土における、農のあり方、主食となる食糧確保に欠かせぬ重要なことです。

 暑い夏の主食にやや陰性で身心を養う麦、小麦をとり入れ、寒い冬の主食には温めて大いに身心を補い養い元気をもたらしてくれる米を中心とすることが、いつの時代にも変わらぬ基本となるものです。

 

 今年も麦、小麦の栽培を昨年から取り入れた移植の方法で行う予定でいます。

 自然農39年目におけるよりよき育て方の勉強を兼ねての試みでもあります。

 

 苗床を整えての種降ろしは、10月15日〜20日頃。稲刈りの約一ヶ月前に行います。

 草々や前作のものを刈り倒し、平鍬で表面1〜2cmを削り取って、これから生えてくる草々の種子を取り除きます。

 米の苗床と同様に幅1.2m位の苗床にします。面積は米の苗床の2倍程度です。

 定植する条間は50cmで米と同じです。株間は50cmのお米の半分で25cmとします。お米の株と株の間に2株植えることになりますから、お米の2倍の種子量です。お米と同様一本植えです。

 

 定植時期は稲刈り後ですから、11月の中旬で15日〜20日頃ですから、苗床期間は約一ヶ月間です。お米の苗床期間は二ヶ月ですから、その半分の期間です。

 

 約3cm〜3.5cm位の間隔があれば、丈夫な苗に育ちます。

 種降ろしから5日後頃から発芽しますから、お米より5〜6倍の早さです。

 発芽後数日して足元に草が生えてくれば、除き取って草に負けないように手助けします。1〜2度、簡単にできる作業です。

 

 水田は稲刈り前10日頃には排水を計り、稲刈り時には水分も去り、湿度の軽減した畑状にしておきます。

 

 育った苗を平鍬で2〜3cmくらいの深さで掘り上げて苗箱に入れ、一株ずつはずしながらノコギリ鎌を用いて植え穴をあけ、植えていきます。麦、小麦の苗から土が落ちていても大丈夫、そのまま植え付けますと活着し、新な根が再生して育っていきます。

 

 植え場所10cm幅位は除草を行なった所に植えます。

 

 12月中旬に自然乾燥した稲を足踏み脱穀機で脱穀して、すぐに稲藁をそのまま5〜10cm位に育っている麦、小麦の上から全面にふりまきますが、その前に麦、小麦の足下、条間全体に1回目の除草をノコギリ鎌ないし、平鍬で草の茎を残さずに削り取っておきます。数日後に草が枯れた頃に稲藁をふりまきます。

 1月後半から2月初旬に2回目の除草を行って終りとします。麦、小麦が茎を現わし徒長していく営みになれば、除草作業をしては成長を害ねますので行いません。もし2月下旬から3月初旬に草の徒長が特に長ければ、地上部のみ刈ってその場に敷いておきます。麦、小麦の手入れはこれで終りです。

 

 収穫は完熟してからとします。裸麦は6月初旬、穂刈りの方法で行い、ゴザにて数日間よく乾燥してから木槌でたたいて脱穀します。

 小麦はだいたい6月10日頃、完熟してから稲と同様に株元から刈り取り、足踏み脱穀機で脱穀行ない、唐箕で風選してからゴザで直射日光で数日間干してよく乾燥します。乾燥した麦、小麦は紙袋に入れて貯蔵します。

 

 栽培しています品種は、裸麦は芒の長いモチ麦。小麦はやや強力粉の南のかおりです。それと晩生種のライ麦です。収穫は6月20日頃です。

 

 製粉は手動式、あるいは水車で行なえば最もよいのですが、しかたなく家庭用の製粉機(石)で用いる都度行なって食しています。製粉後、数日経過しますと、酸化して味が落ちますのでその都度製粉します。

 

 自然農を始めた当初は、稲刈りの20日〜1ヶ月位前に稲穂の上から直接バラ蒔きをしました。反当8升の種子量です。稲の足元、草々の足元に種子が落ちて、湿りが保たれているゆえ発芽は自然にします。太陽の陽射しで乾燥するとか、小鳥に種子を食べられるということは決して起こらず、種降ろしの作業のみで収穫まで何もせずとも育ちました。稲刈りは5〜7cm育っている麦、小麦を踏みながら作業します。

 

 数年後からカラスノエンドウが生えてくるようになって、高く育って麦、小麦が負けるようになりましたので方法を変えました。

 稲刈り後、一面のバラ蒔きをして、ノコギリ鎌で丁寧に育ちはじめている緑色した冬草を目的にして地上部1cm位の深さで草を刈り、その場に敷いておく方法で行いましたら、麦、小麦と冬草が同時のスタートとなって草に負けることなく育つようになりました。

 やがて水田に牧草が増えてくるようになり、麦、小麦より背が高くなり、麦、小麦の育ちが悪くなりましたので、移植の方法で成育の前半に2度くらいの除草、草刈りを行うことにしました。このことによって育ちがよくなったのと、作業時間と作業能率が最善となりました。

 

 自然農の最大の基本は決して耕さないことですから、また草を敵にせず作物の足元には種々の草がはえており、一生全うする草もありますゆえに、はえている草の種類が変化します。その変化に応じて草の性質をみきわめて対応、対策をたてて作物が負けないようにします。食生活に裸麦、小麦が加わると本当に料理は豊かとなり楽しいものになります。(2017/11/21 奈良県 川口由一さん投稿)


 →この体験談は、「水田における自然農による麦、小麦栽培について」へ、掲載いたしました。(2018/1/11)

・平成29年(201年) 自然農39年目の稲づくり

 今年も水田では稲が出穂、開花、交配の営みを盛んにしています。この自然農39年目での事ごと=(水稲)=をお話しいたします。

 2年前の報告と少しの変化があります。それは水田の変化と視点の違いからによるものです。

 

 奈良盆地の東南に位置する水田で上の田と下の田の落差は50cm前後。土質は半砂壌土で耕作土は40cm前後でつくられており、水稲づくりに必要な水は景行天皇陵の(堀の)水。盆地の最高気温は36度位、最低気温は−4度位。初霜は11月中旬、遅霜は4月末の気候です。

 

 今年平成29年度は、苗代づくりは4月20〜21日の二日間で種降ろしをしました。

 籾種は脱穀時、唐箕で風選別したものをさらに一粒一粒、姿、形、色の良いものに選別しました。種子量は一反(10アール)当たり2.5合用意。苗床の面積は11m×1.2m位とする。

苗床は腐蝕土(約11〜12cm)の層を平鍬で両側に取り除きます。生えている草と草の種を除く目的と養分過多による発芽障害をさけるためです。

 田植えの条間は50cm、株間早生種は40cm、中生種と晩生種は50cmで一本植え。(自然農を始めた当初は土地がやせているので40×25の一本植えでスタートし、やがて土地が豊かになるにつれ株間を30cm→35cm→40cm→50cmと広くしていく。このことによって田植え時間が短縮する。茎葉が強く健康でのびやかに育ち、茎数が多く、30本→40本、50本、60本、70本と増えるようになる。)

 田植えは一本植えが基本です。2本、3本植えにすると分けつの営みで増えてくる茎が衝突して、成長の勢いが害なわれることになります。

 株間40cmから50cmに広げたのは、昨年の平成28年からです。来年は45cmに戻したほうがよいのではと今から考えています。

 

 不耕起にして約40年の間に腐蝕土が上に上にとつくられ重なって約12〜13cmくらいの層を成しています。この豊かな層から恵みをもらって稲は健康に育ちます。ゆえに肥料の必要がなくなります。

 田植えは完全に腐蝕した部分に植え付けます。苗床から苗を約3cm程の土をつけて平鍬で堀上げ、苗箱にいれて引きずりながら一本一本丁寧に植えます。深すぎると茎をつくり増やしていく分けつの営みを害ね、浅すぎるとしっかり立つことできず、根が育ちにくくて分けつ悪く成育悪くなります。

 

 今年も田植えは6月24日に5〜6名の手伝いを受けて7〜8時間かかりました。今年の作付け面積は7畝です。三年前から半分にしました。年令に応じてのことです。

 苗代期間は約2ヶ月間で稲の一生のほぼ三分の一の期間に当たりますので、健康で丈夫な苗に育つよう手助けします。苗代は水を入れない畑苗代です。

 密にならないように場所を用意し、約1ヶ月後に発芽して4cm前後に育ちます頃に足元の草を抜き、10日後の頃再度、除草を行なって草に負けないで育つように助けますと、田植え時には2〜3本の茎に分けつしています。

 一回目の除草と二回目の除草後に米ぬかないし米ぬかと菜種かす混合のもので補い、元気よく育つべく種子量と同量から倍量ほどを苗上からふりまいて、稲わらないし茎の長い草で葉上にのっている米ぬか等を払い落とします。

 

 健康で茎の強い成長した苗を、冬の草とすでに育ちつつある夏の草を刈らずに草をかきわけて一株ずつ丁寧に植えました。

 水位は畝上水なしから、低いところは1〜2cm位で作業をしました。

 

 田植え後一週間位で活着始まると考えられるので除草に入りました。除草が遅れると他の草々に負けて成長が悪くなるゆえに早めに行ないました。

 田植え後の除草期間は早生種で7月末まで、中生種で8月5日頃まで、晩生種で8月10日頃終えるようにしました。

 この期間の除草は稲の成長に欠かせない大切な作業になります。除草を適期に充分行なわないと稲の成長が悪くなります。除草の終りが遅れると、8月初旬からの幼穂形成の営みを害ねることになりますゆえに注意せねばなりません。除草はこの幼穂形成期に入る分けつ期における大切な成長の手助けです。

 一回目は一条置きに行ない、二回目は残りの条間を行ない、三回目は仕上げの除草で三条を刈っていきます。左右の隣の条にも手をのばして地上部3cmくらいから刈ってその場に敷いておきます。

 一回目の除草は草の茎を残さぬように、やや深くに鎌を入れて刈り、三回目の仕上げの草刈りは稲の根を害ねないように地上部のみ刈るようにしました。

 

 除草作業の際、条間が40cmくらいではややせまくて、稲の茎を折ることになり作業を進めづらいゆえに50cmに2年前から広げました。

 株間は除草作業と関係はありませんが、広すぎると太陽の光がいつまでも多くとどいて草はいつまでも繁り続けます。

 昨年は水との関係と草刈り作業が早めに行なえたゆえに最後まで草に負けることなく成長がよくて完熟しましたが、今年は田植えと草刈り作業いづれも一週間遅れたゆえにと分けつ期に水がすっかり無くなることと重なって稲の成長が少し遅れたように思えます。

 そのようなことがあったので来年は株間はそれぞれ5cmせまくとるようにした方がよいと考えています。したがって晩生、中生種は45cm、早生は40cmを目安に。

 草に負けぬように田植え後1ヶ月から40日の間の除草の時期と刈り方が重要になりますが、水との関係も重要になります。

 水深5〜10cmは深水の感があって稲は徒長し、軟弱となります。又、亡骸の層や新に投入する草、麦わら等が急速に腐蝕して高濃度の養分で若い稲の根を害ねて成長を害ね、やはり軟弱となり病気に追いやることにもなります。

 基本は畝上2〜3cm、水田の低い場所でも5cmまで位とし、高い場所は水無しで1週間から10日ごとに畝上に水は無くなるように配慮します。また半月に一度くらいは溝にもほぼ水の無い状態が1〜3日間位あると根の張っていく地下にも空気や空気中のものがとどいて健康に育つと考えられます。

 草の成育を押さえて除草、草刈りの作業を軽減、或いは行なわなくてもよいようにと深水の状態を続けると軟弱、徒長等で稲にとってはマイナスになると考えられます。いづれも稲が健康に育つことを中心にして作業を見守り行ないます。

 

 8月中旬以降はもう水田に足を踏み入れての作業はなくて、最後は秋深くなる季節11月の稲刈り、収穫の作業になります。

 稲刈り時期は穀類共通ですが完熟させることが大切です。しかし稲は刈り取り後約1ヶ月間、稲木を立ててそこで自然に乾燥させて、さらにその後足踏み脱穀機で脱穀の作業しますゆえに、穂首に力が無くなって落穂が多くなるといけないので、刈り取りの適期の見定めが大切です。

 稲の成長は茎を増やしていくのも開花交配の時期も一斉にではなくて、時差が1週間から10日程生じます。それで全体の三分の二くらい完熟した頃を稲刈りの適期とします。稲の姿をながめての判断、あるいは穂が三分の二くらい成育が終り、黄緑色から黄色、さらに枯れた黄土色となって生気、つやが衰えた頃、あるいは茎、葉、穂を含めた全体の生気、色、つやがそれまでの勢いが無くなり、衰えを表した頃が刈り時です。

 乾燥の期間は地形や気候によって夫々の地で異なりますが、奈良の我が水田では1ヶ月間、雨や風、特に12月に入っての季節風を受けてしっかりと乾燥します。海から吹く塩の含んだ風を受けるところでは10日間前後で乾燥するかと思います。

 若刈りや乾燥不足は脱穀後の籾摺りが難となり、1年間の貯蔵に耐えられなくなり、かびを招き味を悪くすることになります。

 11月中旬、稲刈りをして、脱穀は12月中旬行ない、紙袋で籾貯蔵とし、その都度1週間分ずつ位の籾摺りを行ない、精米は食す毎に5分〜6分搗き位にしています。米ぬかは野菜の補いにめぐらせます。

 

 3〜4年前から姿を現わし始めたジャンボタニシ、今年はさらに増殖した様子です。

 1回目除草の際には、茎に産卵したピンク色の卵を取り除き、溝に落としたが、次々と産卵して1株に7〜10個と産み続けるゆえに追いつかず、2回目の除草の際には、産み孵化するに任せました。成長への被害のほどは今のところわからずです。

 

 脱穀後の稲藁はすぐに育った場所にそのまま切らずにふりまいてもどします。次のいのち達の舞台がそのことによってさらに豊かになります。また8月中旬以降から11月中旬までに稲の足元で生きて育った種々多くの草々は種子を結び、茎葉、根をその場で死んで横たわり土中でも地上でも微生物の糧となり、結果腐蝕してさらに豊かな生命達の舞台となります。水中の草々、ジャンボタニシ等の小動物も冬期に入ると子孫を残して多く死んでいきますのでやはり水田が豊かになります。夫々の動植物が新に体をつくり夫々が成分を生みつくり、やがて死体を地表にねかせるゆえに、さらに偏りのない豊かな水田になります。地上では新しい一夏の亡骸や腐蝕土のスキ間から夏の草に変わって冬の草が姿を現わし、次の年の夏まで生きて育って全うして、一生終って又々死体を横たえて水田を豊かにします。決して耕さないゆえに生じる豊かな腐植土で自然の森や山と相似た姿です。この水田で冬期は麦、小麦が中心となり他の草々、土中に冬眠した虫達と共に生きて活動盛んとします。

 尚、稲藁はえんどうの支えや来年の稲を束ねるに必要とする分だけ確保します。

 

 田植え、稲刈り、脱穀の三度の特別な作業は7〜8名の人達に助けられています。日々の作業は5年程まえから勉強と兼ねて手伝ってくれている小島さんと二人で日々少しずつ手入れを重ねています。作業時間は夏は早朝5時半頃から9時頃までとし、9月に入ってからは朝6時半頃から10時半頃まで。作業後はシャワーを浴びて身体を洗い、朝食と昼食を兼ねた食事。食後はゆっくり休みます。午後は勉強や執筆の仕事等。雨天と週1回位は休息日。日々の農作業で心身ともに健康でありたいとの思いと自然農の先を歩む者のつとめとして、楽しくやっています。これも年令に応じてのことです。

 

 麦、小麦、大麦、他の冬期の雑穀のことは後日に1年間、あるいはここ2〜3年の様子をお伝えいたします。耕さず、草や虫を敵とせず、肥料農薬を用意せず、用いずによる田畑の姿、作物の姿を実際に現わさんがためと、新た新たに変化する自然農の田畑で生じる問題に対して、具体的に答えを見出し示していくために今年も少しずつですが続けています。

(2017/9/14 奈良県 川口由一さん投稿)

 

 →この経験談は、「平成29年(2017年) 自然農39年目の稲づくり(川口由一氏)」へ、掲載いたしました。(2017/11/1)

・ダイコンサルハムシの卵

観察しているとダイコンサルハムシは卵をまず双葉の茎の外側に産み付けるようです。大きさはモンシロチョウの卵より少し小さいくらいの黄色い卵です。1本の茎に2〜3個ずつ、茎の中に埋め込むように産み付けています。

孵化した後は、若い葉の内側に入り込みます。私は竹串の先に水を付けて捕えます。幼虫はほとんど動かないので捕まえやすいのですが、孵化して間もない幼虫は小さなアリマキほどの大きさしかないので根気が要ります。(2017/9/23 広島県 FTさん投稿)

 

 →この経験談は、「ダイコンサルハムシによるアブラナ科の被害」へ、掲載いたしました。(2017/10/26)

・田植え後の除草(水草)について

今年から奈良県桜井市の集落の一角の田んぼ(昨年まで休耕田)をお借りしてはじめて田植えをしました。今のところ水もよく入り、稲の育ちも順調です。水がよく入っているせいか雑草も少なく、草刈は順調に進んでいます。

ただ、田んぼの水の表面に小さな緑の浮草のようなものがびっしり張っているのが少し気になります。水の入り口の上手にある田んぼは全て慣行農なので、肥料の混ざった水が入り込むのはある程度避けられないのかなとは考えていましたが、そのせいで水が富栄養価して浮草が繁茂しているのかもと考えています。

根付いてる草でないのでほおっておいてもよいものか、できる限り(例えば網などで)すくって取り除いたほうがよいものか。もし何かご経験のある方がいらっしゃったら教えてください。(2017/7/10 大阪府 M.Yさん投稿)

 →この体験談は、「田植え後の除草(水草)について」へ、掲載いたしました。(2017/8/4)

・鳥獣害 

今日、じゃがいもの土寄せに行こうと赤目自然農塾の実習畑に向かいましたら一足先にイノシシとおもわれるものに根こそぎ新ジャガを持っていかれておりました。 がっくりしてここでは栽培は無理だな。と思いダイス等の種まきもやめてしまいました。

ナス トマト ピーマンの苗床作りの処も無茶苦茶にされていました。

脱力感半端ないです。

自然農の方々はこんなときどのような心の持ち方をされるのでしょうか?

教えて下さい!(2017/6/9 大阪府 Pさん投稿)


 →この体験談は、「鳥獣害」へ、掲載いたしました。(2017/6/20)

・生姜の保存について 

台所における少量の場合

 寒い冬期は低温で腐りやすいゆえに、新聞紙に包んで木箱や段ボールにいれて冷たい空気に直接触れないようにしています。

 暖かい春、夏、秋季はそのままです。乾燥を防ぐために湿りを保つようにしますが、かびがつくので箱等で密閉しないようにしています。

 

冬期の保存 それなりに量のある場合

 壷、甕等に土を入れ、その中に堀り上げた生姜を埋め、雨の入らないようにふたをして置き、必要時、必要量を掘り出して使う。

 暖かい台所の隅、あるいは雨の降りかからない南側のひさしの下に、壷を九割くらい地中に埋めて低温にならないようにする。

 低温、乾燥、湿り過ぎに配慮する。

 生姜の種は冬期保存が困難ゆえ買入しています。

(2017/5/8 奈良県 川口由一さん投稿)


 →この体験談は、「生姜の保存について」へ、掲載いたしました。(2017/6/20)

・水稲の除草について

僕は約二ヶ月間、苗床で苗を育ててから定植する方法をとっています。

苗床づくり(種降ろし)は四月二十日頃で、田植えは六月二十日頃から。(奈良大和盆地における)

苗床で二度幼苗の足元の草を抜く。

 

定植後の除草

 六月中に田植えを行ない、七月初旬から八月初旬までの約三十日から四十日間の作業。冬草は自然に枯れ死んでいきますが、夏草が生命力盛んにして育っていますゆえに、その成育を断つ、あるいは押さえる作業です。一本の苗が分けつ盛んとして幼穂形成期に入るまでの期間のみ、草に負けないで元気よく育つようにとの手助けです。茎を増やしながら成長をし、分けつを終えた後は足元で草が育ち繁るに任せます。除草の作業は稲の成長を損ねないよう、特に根の成長を損ねないよう心配りをして作業を進めます。

 八月初旬の最後の除草作業は地上部のみ刈ってその場に敷くようにして、足元の敷き草や枯れ草の下、あるいは土中に鎌を入れないように作業を進めます。できる限り稲の根を痛め損ねないようにとの配慮です。

 稲が前半の三〜三ヶ月半、他の夏草に負けずに元気に育てば後半の三〜三ヶ月半は足元に種々の草が元気に生きて、それらの草に小動物が生かされて、動植物が一体となって活動盛んとして稲も元気に育つことができます。

 また足元における過去の亡骸の層では小さな小動物、微生物が活動盛んにして水田全体の活動盛んとなります。草は小動物を生かし、小動物は草々や稲を生かし、草々小動物の排泄物や死体は水田を肥沃にして、稲の豊かさと健全さをもたらしてくれます。

(2017/5/8 奈良県 川口由一さん投稿)


 →この体験談は、「水稲の除草について」へ、掲載いたしました。(2017/6/20)

・畑の畝の立て方について

私が7年前から借りている畑は、南向きの少し(10度ほど)傾斜のあるところです。

 

いちばん南側は、土留めを考えて東西にひと畝、後は南北に畝を立てました。(自然農の畝たては南北と思い込んでいました。)

初年度から自家採種で栽培しているソラマメが南側(傾斜の下側)が育ちが良く。北側(上側)の育ち方がよくありません。

奈良県Fさんの投稿から"養分が下に流れてしまう…"という文を見つけて、南側が育ちがいいことに納得がいきました。

最初借りた場所は頑張って畝立てしたのですが、3年前からお借りした蜜柑畑後(続きの西側)は畝立てせずに利用しています。…方向を変えやすいそちらから東西に植えてみようかなと考えています。            (2017/5/9 長崎県 K.Yさん投稿)


 →この体験談は、「畑の畝の立て方について」へ、掲載いたしました。(2017/6/10)

・草刈りのあんばいについて

小さな畑を借りて自然農を試みている初心者です。

 

湿度の高い時期によく感じるのですが、草を刈ってその場に敷いておくと、そのすぐ後に作物が弱っていることが何度もありました。(草刈りで傷つけたわけではありません)

作物が弱らないまでも、敷いた部分だけが他の部分よりじめじめ、ぐしゃっとした感じになってあまり良くない雰囲気に感じられることが多くあるのです。

草が吸い上げて蒸散していたぶんの水が滞って過湿になるせいかと解釈しているのですが、同じようなことを感じられる方はいらっしゃいますか?

(2017/4/26 岡山県 tamaさん投稿)


 →この体験談は、「草刈りのあんばいについて」へ、掲載いたしました。(2017/5/21)

・オケラ ~試みと失敗気付き~

毎年、オケラに種籾を食べられています。その都度、色々と試し、失敗を重ねてきました。

「その中で培った対策」という投稿ではなく、時系列にまとめながら、失敗したこと、その過程で気付いたことを書きたいと思い、投稿しました。

 

 

棚田全体の様子

・川の水が少なく、真夏は水の引き込みに苦労する。

・それでいて全体的に水はけが悪く、特に水路側は湿気が多い傾向。

・棚田の三方は、高い樹に囲まれている。

近年、田んぼを借りる人が増えてきました。人手が増えたので、共同作業にて棚田全体の治水に着手出来るようになりました。とても学びが楽しいです。

こうした背景の棚田にて、今年で9回目のお米作りを迎えます。

 

田んぼの様子

赤目自然農塾の山の斜面にある棚田で、縦長に二区画分、友人とお借りしています。

1年ごとに、水路側と畦道側を交代で応じています。

2014年(水路側の田んぼ)

4月13日

湿気が強いため、苗床の乾燥を促すことも兼ねて、モグラ溝だけ先に設けた。

4月下旬

土の状態、良好。宿根草の根を除き、種降ろし。覆土、草、土の鎮圧をシッカリした。

5月初め

苗床が蒸れて、沢山のオケラやナメクジを招く。10本程度しか発芽せず。

反省

土と草の被せ過ぎ。鎮圧不足。

来年の課題(周囲のお話を伺い、感じたこと)

  • オケラが走りにくいよう、鎮圧はしっかり行う。
  • 高温多湿の気候下では、草が多いと蒸れやすく、覆土も多過ぎると発芽が遅れるそうだ。その年、その地域の気候と、田んぼの湿気の度合いを考慮して、草や土の被せ具合を工夫していきたい。
  • 湿気が多いため、15センチほどの縁にして乾燥を促した。(反面、オケラは苗床に届きやすくなると伺った。)来年は、苗床の縁を30センチにして観察したい。
  • 種降ろしの時期を、5月上旬ギリギリに行うのも一つの方法とのこと。

 

 

2015年(排水口側の田んぼ)

4月26日

苗床の縁は30センチにし、香米(ジャポニカ)と赤米(モチ)を半分ずつ種降ろし。しっかり鎮圧。蒸れないか気になり、草や土は少な目に被せた。鳥除けの応じ方、草や土の被せ具合に過不足がないか、気にかかる。

5月10日

香米は、鳥が頭を突っ込んで食べた形跡有り。7割発芽。追加蒔きせず。赤米は、土が浮かされ7割ほど食べられた。鎮圧が足りず、オケラの侵入を許してしまった。芽が出ている籾もあるので、芽や根を損ねないよう、浮かされた土は手の平で押さえた後、追加蒔きした。発芽した種籾があるので、教わった通り苗床に米ヌカを補う。全体的に草が少なく、土が見えて乾燥していた。不足が心配だった草を追加し、水も少し与えた。

5月16日

香米も赤米もオケラに入られて、合わせて20本を残し、残りは全部食べられた。1センチほど発芽していた種籾も、芽が千切られて籾殻の中身はきれいに食べられていた。草を除き、全体に土が浮いていたので、出芽の20本を損ねないようゲンコツで土を鎮圧(手の平だと弱かったため、ゲンコツにした)。何度も何度もゲンコツで鎮圧、表面が少し凸凹したので手の平でならす。また、苗床にモグラが走り、盛り上がった土やモグラ塚があった。「モグラは虫を食べるし、穴を潰したとき20本の種籾の根を損ねるかもしれない」と思い、モグラ穴や塚をそのままにして種籾を播いた(穴は、田んぼに水を入れる頃に塞いだ)。種籾が土と面一になる位まで軽く押し、覆土せず、草を多めに被せて手の平で鎮圧(多めと言っても実習田の量より少ない)。モグラ穴の所は空気が通ると思い、乾燥しないよう多めに草を被せた(実習田くらい)。鳥が草を掻き分けないよう、草を押さえる細い枝を新たに追加した。

5月31日

9割がた発芽。時期が遅い分、前回の残りの20本と比べると幼いが、元気に育っている。生長した苗の妨げになるので、草に載せた枝は除く。日が当たるよう、鳥除け用の枝もゆったりとした感じに組み直す。

この年、初めて苗が自給出来、収穫に至った。

覆土しなかった理由

  • 同じ棚田の人のお話を伺う中で、「土が湿っていて団子状になり、覆土できなかったので草を多めに被せて鎮圧した」とのお話が気になったから。(この人の苗は見事だった。)
  • 土と草の被せ過ぎでオケラを招いたので、蒸れない様にしたかったから。
  • 飼育されているオケラは、普段から地中で過ごし、地中を移動して食事をしている(捕食者に狙われないためかな?)。餌やりは、オケラの通り道(地中)や地上への出入口付近に置かれていた。また、田んぼで見かけるオケラは、掘り出されるとすぐ地中に潜ろうとする。これらのことから、草を被せていたとしても、覆土しなければオケラの身体は地上に出ることになり、この状態をオケラは嫌がるかもしれない、と思った。

この年の感想

念入りに鎮圧しても土は浮かされる。力が弱くても、しっかり鎮圧出来る応じ方がないかな、と思った。とは言え、初めて苗を自給でき、獣害もほとんどなく、収穫出来てうれしかった。何度も播き直す過程で、なんとなく「オケラがいても問題にならない、すき間」があるように感じた。同時に、覆土しない応じ方を来年も行い、観察を続けたい。

 

 

2016年(水路側の田んぼ)

5月初め

この年は、いつもより時期を遅らせ、5月初めに種降ろしをした。この年も覆土せず、青草のみ。鎮圧も更に念入りにした。

一週間後

オケラが走ったが、5割発芽。苗床全体の土が浮かされた様子はなく、苗床の縁を利用して移動し、縁周辺の種籾を食べている。鎮圧の効果を感じた。同時に、「苗床の縁は草があるので、湿気があり土が軟らかいため、オケラは住み易い」と思った。苗床の乾燥にも繋がるので、試しに苗床の縁の一部を削ってみた。

5月半ば

ほぼ全滅。1センチほど芽が出た苗も、食べられている。紫黒苑、香米(ジャポニカかタイか忘れました)、赤米(モチ)の発芽させた種籾を頂いたので、蒔き直した。

5月下旬

紫黒苑、香米は8割発芽、赤米は3割。残りはオケラに食べられた。

その後、紫黒苑は極晩生で赤目の気候に合わず、収穫出来ず。残りのお米も、育ちはしたが後に獣害を受けた。

この年の感想

湿気が強くオケラがいる田んぼでは、「覆土なし、草で湿気調整」の方がオケラが走りにくいように感じた。種籾を降ろす土表面も、覆土されていないだけ多少乾燥気味なのも、オケラには辛いのかもしれない。しかし、種籾には適度な湿気は必要だし、おなかが空いたら、オケラは何が何でも食べに来るとも感じる。決まった方法はなく、オケラも田んぼのいのちの一部と受け入れるしかない。同時に、オケラがいても問題にせず、種籾が発芽する「すき間」があるようにも感じている。

収量は少ないが、実りの多い学びで楽しかった。

 

 

ここ3年間、色々と試したことは、どれも成功とは言い難いです。

ですが、これらの失敗から下記のことに気付かされました。

  • オケラの食害を受けにくい「すき間」を感じたことで、「いのち」全体を見ていなかった事に気付かされた。
  • 鎮圧は効果があるように感じる。

 

何年もかけて、漸く自然農のスタートラインに立ち始めたように思います。

今後は、日照時間の長さ、風通しの良さ、土の湿り具合、気候、オケラやお米、草々のいのちに目を向けて、自身の田んぼだけではなく、もっと広い視野からいのちを見ることが出来たら良いなぁ、栽培に繋げられたらいいなぁと思います。また、水の巡りが悪い田んぼ全体の整えも、共同作業を通じて学べたらうれしいです。

(2017/4/24 大阪府 Uさん投稿)

 →この体験談は、「オケラ ~試みと失敗と気付き~」へ、掲載いたしました。(2017/5/20)

・「クルミの近くの畑で、色々な作物の育ちが悪い」について、考えられること

 

  • 大豆の育ちが悪かったのは、日陰ゆえ、乾燥地ゆえ、養分過多ゆえ、種降ろしの時期が早すぎる、遅すぎる等々が理由に考えられます。
  • クルミが冬季に落葉するならば、落ち葉が年々重なって腐植土の層が上にできて、半日陰でも育つ野菜、或いは秋季から来春新葉が出るまでの冬季に、菜葉類はバラ蒔きで育つのではないでしょうか。又、宿根草のニラ、ミョウガ、フキ等も、クルミの下で育つのではないでしょうか。僕は、クルミの木のあるところでの経験はありませんが、今年育たなくても来年、数年後には育つ場に変化することも考えられますね。
  • いずれの生物達も、自らを生きるに必要なものを誕生したときから与えられ、備え持っているはずです。又、それぞれの生物達、殺し殺され、生かし生かされの関係であり、一体であると同時に個々別々の存在であり営みです。年々の気候にも、土地の変化にも左右される存在でもあり、常に試みること挑戦することが大切であり、楽しいことでもあります。いろいろと試みてください。

(2017/4/8 奈良県 川口由一さん投稿)


 →この体験談は、「クルミの近くの畑で、いろいろな作物の育ちが悪い 」へ、掲載いたしました。(2017/5/10)

・ジャンボタニシによる稲の被害と、プラス面

 

マイナス面

ジャンボタニシは常に田んぼの溝を行き来しているので、溝際の草が無くなり、畝の肩が崩れる。そうすると、溝際の稲の根が露出してきて、それをジャンボタニシが食べるので、稲の生命活動が衰える。昨年2016年は、田んぼにジャンボタニシが出始めて3年目だったが、その被害が顕著になった。耕していないので、田んぼの一面にジャンボタニシが這いずり回ることは無く、被害は溝際だけ。

 又、水田全体の稲の茎に多く産卵を長期間に渡ってやりますので、稲の生育に支障をきたしているのでは、と感じます。

 

プラス面

ジャンボタニシの6割は、越冬できずに死ぬそうです。その亡骸や排泄物や卵の殻が糧になり、稲を健やかに育ててくれる。ジャンボタニシの殻や産卵した赤い卵の殻にはカルシウム分が多いそうです。こうしたものをはじめ、田んぼに今までに無かった成分をもたらしてくれる。そうしたプラス面もあると考えられます。

(2017/3/28 奈良県 川口由一さん投稿)


 →この体験談は、「ジャンボタニシによる稲の被害と、プラス面」へ、掲載いたしました。(2017/5/10)

・笹や竹の葉を畑に使う

<赤目自然農塾での質疑応答より>
 笹や竹の葉は、種をまいた上にかけてもいいのですか。

 

 笹や竹の葉は、朽ちるのが遅いので、ジャガイモなどを植えた後にかけると良いけれど、繊細な野菜の時は避けたらいいですね。

 

体験談: えんどうとえんどうの間の草刈りの後に、竹の葉をたくさん敷き詰めると、草が伸びるのが抑えられ、敷かない時は2、3回草刈りをしましたが、1、2回の草刈りで済みました。

 

枝の部分は、なかなか朽ちないので、邪魔でなければそのままに、次の作物の邪魔になったら違うところによけることもしました。

さらに、えんどうが終わるころ、この畝の真ん中にウリ科を植えたら、土がとても豊かになって、今までなかなか育たなかったウリ科がとても元気に育つようになりました。笹の葉は、春に1日でとても大きく育つので、エネルギーが強く、朽ちた時には養分も強い力となるのだなと感じました。(2017/3/12 奈良県 三輪淳子さん投稿)


 →この体験談は、「えんどうの間に笹をしく」へ、抜粋して掲載いたしました。(2017/5/6)

 →この体験談は、「笹や竹の葉を被覆に使う」へ、抜粋して掲載いたしました。(2017/5/6)

・えんどうの支柱の藁が風でゆれる

<赤目自然農塾での質疑応答より>
 えんどうの支柱の藁(わら)が春風に吹かれてしまって、いつもゆれているので、えんどうがツルをからませにくくなっているように見えます。

 

 わらを少し長めにしておいて、下を地面の中に埋めると、風で飛びにくいです。(2017/3/12 奈良県 三輪淳子さん投稿)


 →この体験談は、「えんどうの支柱の藁が風でゆれる」へ、掲載いたしました。(2017/5/6)

・獣害にあわない作物

赤目自然農塾もそうですが、獣害による作物の被害が増えています。

  • イノシシ
  • サル
  • 鹿
  • ネズミ

 

など、昨今増えているように思います。

他にも

  • タヌキ
  • アライグマ
  • ヌートリア

 

など地域によって様々な獣害に悩まされていると思いますが、

それに対する対策、また、特定の獣の害にあわない作物など教えて頂ければ嬉しいです。

(2017/3/19 奈良県 小岩洋貴さん投稿)

 →この体験談は、「獣害対策、獣害にあわない作物」へ、掲載いたしました。(2017/4/3)

・自家採種のニンジンが太く短い

奈良の三笠山のふもとの段々畑で自然農に取り組んで3年目です。

3年前に西洋ニンジンの自家採種の種を頂き、今までつないできました。

1年目は赤目の畑で立派に育ち、太さ、長さ共に良く育ってくれて、種をつないでいるのですが、2年目、3年目は家の近くの三笠山の畑で育てて、株元が太い物はあるのですが、全体的に短くなってしまいました。

 

問題点として考えていたのは

  • 日照時間の短さ(8時半頃~16時頃まで)
  • 畝立てをして時間が浅いための地力の無さ
  • 畝の立て方(段々畑の枕畝に植えているが、畝幅60cmくらい高さ15cm)
  • 畝の小石の多さ(3cm大以下のものは取り除いていません)

     

と、考えていたのですが、同じ畝に川口さんの勉強会で頂いたニンジンの種を植えると、葉は大きく、株元は太く、長さも長く育ちました。

 

品種の違いもあるとは思うのですが、採種の違いもあるのかと思い、

  • より良い採種の方法
  • 短くならない工夫
  • 短くなる理由

 

など教えて頂けたらと思い投稿いたしました。

どうぞ、よろしくお願いいたします。(2017/3/19 奈良県 小岩洋貴さん投稿)


 →この体験談は、「自家採種のニンジンが太く短い」へ、掲載いたしました。(2017/4/3)

・ダイコンがハクサイダニの被害を受けた

 

有機栽培の畑の片隅を借りて、自然農にて野菜を育てています。

水田に2メートル弱の高さで土を盛った畑地で、日当り、風の通り、水はけは良好です。雨の少ないときは乾きやすいですが、冬季は比較的湿りが保たれています。夏季の最高気温は平均30℃位、厳寒期の最低気温は平均で氷点下1℃前後です。

夏から秋にかけては、こぼれ種の中玉トマトやカボチャを育て、秋から冬にかけて大根をバラ播きにするということをここ3年ほど続けています。

 

去年の9月初めに源助大根、二年子雪の下大根の古種(2〜3位前に購入したもの)をバラ播きしました。他に前年のこぼれ種(源助大根、大蔵大根、ビタミン大根等、交雑の可能性あり)も発芽したと思われます。

間引きはほとんどせず、あまり手をかけていませんが生育は良好で、太い大根も収穫できました。

霜が強く降り始めた12月から1月頃は、外側の葉が霜でしおれる程度で中の方の葉は青々としていましたが、2月になると茎葉全体が白っぽく枯れたようになりました。よく見ると茎にハクサイダニの群れが動いていました。

 

ハクサイダニは、胴体は黒く脚は赤い色をしており、1ミリ弱ほどの大きさで、夏季は卵で休眠していますが、低温期になると発生し、ほとんどの冬野菜や野草に寄生し茎葉から汁を吸い、被害を受けた株は葉が白っぽくなり枯死します。そのため葉物野菜での影響が甚大です。低温期のため天敵がいないとのことです。

有機農家さんの話しでは、この畑は以前からハクサイダニの発生が多いので、発生前に収穫を終えるような作付けや比較的被害の少ないキャベツを作るなどの工夫を行なっているようです。

 

観察してみると、大根をバラ播きしたまま間引きせず、密集状態になっているところでは被害がひどいのですが、そのすぐ隣で大根がまばらに生えてきて、他の草とともに育ったところでは葉が青々としていて、近くにある水菜にも被害がありません。

 

風通しに関しては、植生の量に違いはなく、どちらも変りはないように思われます。

 

被害を受けていないところでは、大根の一株一株に十分な空間があることで、大根のいのちが健全に育まれたと考えられること、周囲には様々な草が共に生えて多様性が保たれていることで、ハクサイダニが大根に集中しにくい環境になっているのではないかと思われます。(2017/3/14 神奈川県 Bさん投稿)

 →この体験談は、「大根がハクサイダニの被害を受けた」へ、掲載いたしました。(2017/4/3)

・クルミの近くでも育つ作物は?

2年程借りている畑の東側に、クルミの木が有り、畑の中まで根を伸ばしています。

これまでに、ネギ・里芋・エゴマ・大豆・ヤーコン等育ててみましたが、良く育ったのはヤーコンのみ、大豆は最悪で殆ど実が付きませんでした。同時期に少し離れた畑に蒔いた大豆は、良く育ちました。

クルミに、日当たり以外にも何か問題があるのでは?と思い調べてみたところ、多くの植物に対し有害または成長を阻害するユグロン(juglone)という成分が含まれているそうです。

 

同じように、クルミの近くに畑がある方で、良く育つ作物、育ちの悪い作物など有りましたら、教えていただけないでしょうか?

 

里芋も小振りな株でしたが、ある程度は収穫出来たので、種芋・親株で育つものは強いように感じます。借りた時は、ギシギシやチガヤが良く育っていましたので、宿根も強いです。

 

マメ科は相性悪いようです。

 

ヤーコン以外にも相性の良い作物を見つけて、上手くクルミと付き合っていければと思います。よろしくお願い致します。(2017/2/22 山梨県 今井勤子さん投稿)

 →この体験談は、「クルミの近くの畑で、いろいろな作物の育ちが悪い」へ、掲載いたしました。(2017/4/3)

・さつまいもの植えつけ


さつまいもは、 常にはつるを植えますが 芋が生るまでに無くなるもの多く、去年作付けた初めての地面では 残るのは三分の二ほどでした。 しかし 同じ地面でも 安納芋は、 食いにくい小さいのを 種イモとして植えたら 十割がちゃんと根付き、 植えたのの十倍ほど 採れました。

写真は、植えつけた小芋と それが生した子芋です。(2017/2/2 神奈川県 二宮倫行さん投稿)

 

 →この体験談は、「さつまいもの植えつけ」へ、掲載いたしました。(2017/2/18)

・稲の倒伏対策

参考になるかどうかわかりませんが、

・うちの田んぼは 稲が倒れぬよう コシヒカリはやめて わざと背丈低い品種「にこまる」を作付けていますが、これは温暖化の酷暑にも強く味もコシヒカリと同等以上取れ高も負けないものです。・・・ことしの苗床作りの写真を見てください、長いのは紅染め糯(丈高いが倒れない)、短いのがにこまるです。


・隣の親子体験の田んぼでは 品種は替えずに どうしても倒れるので、みかぶづつ 紐で結わえています。(2017/1/28 神奈川県 二宮倫行さん投稿)

 

 →この体験談は、「稲が倒伏する」へ、掲載いたしました。(2017/2/7)

・畑の畝立て方に関する気づき

私の畑は南向き斜面にあります。最初に畝を立てる時、傾斜に沿って南北にたてるか、東西に段々畑にするかで迷いました。

基本通りに南北に立てれば東から西へと作物全体に陽があたる反面、斜面なので養分が下へ流れてしまうこと、斜めなので作業がしづらいことが考えられました。

結局、両方試してみようと思い、南北と東西の畝が混在した状態になっていたのですが、あるとき、畑に立つと蒸し蒸ししてとても不快で、その原因が、畝の方向が統一されていないために、畝が壁となって風通しが悪くなっているからではないかと気がつきました。

そこで全ての畝を南北に立て直したら、風通しがよくなり、さわやかになりました。

傾斜の程度や畑の形などで南北がいい場合、東西がいい場合が考えられると思いますが、いずれにせよ、どちらかに統一するべきだったと思います。

現状では、斜面での作業は多少やりづらいですが、だいぶ慣れてきました。

養分が下に流れてしまうことに関しては、一番下にたまった土を、ジャガイモなどの土寄せに使うようにして対応しようと考えています。(2017/1/17 奈良県 Fさん投稿)

 →この体験談は、「畑の畝の立て方について」へ、掲載いたしました。(2017/2/2)

・サツマイモが上手く育たない

  1. 定植しても枯れてしまう芋づるが多い。
  2. 育った芋づるも収穫してみると芋が小さかったり、細かったり、数が少ない株が多い。
  3. 育ったサツマイモの多くがネズミにかじられる。

 

奈良県の中山間地、山際の棚田で前年まで慣行農法でお米を作っていたウナギの寝床のような細長い田んぼを畝立てした畑、幅1.5m~2.5mで長さ30m位、北西向きで日当たりは4月から9月までは6~8時間、12月と1月はほとんど陽が当たらない条件の悪いところです。1年目、2年目まで上記のように上手くサツマイモが育ちませんでした。

 

解決のために工夫した事

1.に関して

  • 5月の連休明けから5月末までに定植していたが、地温がしっかりと温まってから定植するようにした。6月の10日頃以降に定植。
  • 天気の良い日を選んで定植。
  • 植穴をできるだけこねないようにスコップを2回地面にいれ、笹の葉のような形にスコップで堀り、中の土をかたまりのまま掘り上げる。
  • 植穴に水を入れ、水がしっかりと土にしみこんでから芋づるを定植する。
  • 彫り上げた土を大雑把にほぐして植穴にもどし、しっかりと押さえ、刈った草をかぶせる。

 

2.に関して

  • 株元までしっかりとつる上げをすることで株元にできるサツマイモが大きくなり細いくず芋が減った。
  • 水はけの良い畝の両肩にサツマイモを定植し、湿りを好むオクラを中央で1条育てることで、両方の生育が良くなった。
  • オクラの収穫をするたびにつる上げをするように心がけた。 
オクラは畝の中央に育て、サツマイモを両肩に定植
オクラは畝の中央に育て、サツマイモを両肩に定植

 

3.に関して

  • ネズミはモグラ穴を利用してサツマイモを食べているようでしたので、植穴を掘る前にモグラ穴を足で踏んでしっかりとつぶしてから定植する。
  • つる上げをする時や除草をする時、モグラ穴がないか確認し、あればつぶす。

 

上記のようにした3年目からは、定植しても枯れるのは150本のうち1,2本だけとなり、収穫については、1株に3、4本の大き目のサツマイモがつき、またネズミによる被害もほとんどなくなりました。今年の収穫まで3年間は上手く栽培できています。(2017/1/23 奈良県 中村康博さん投稿)

 

 →この体験談は、「サツマイモが上手く育たない」へ、掲載いたしました。(2017/1/27)

・菖蒲やイグサが宿根を張っている田んぼを借りた

3年前から米を作っている田は、以前、花を作っていたそうで、溝があり、土も高くなっている状態。放棄されて15年くらいでした。谷津にあり、日照時間が短く、水を抜いても湿り気がなかなか取れません。田にはイグサ、ススキ、セイタカアワダチソウ、萱、蒲が部分、部分、密生していました。

 

1年目 初めは、背丈ほどもある、萱やセイタカアワダチソウを前にしばし呆然としましたが、端から草を刈りました。地面も平らではなく、刈った草を寄せながら、ある程度、平らにし、溝を揃えました。再度、植える前に草を刈り、萱の根はいくらか取りましたが、(今、思えば敵のように感じて…)手の関節が痛くなり、根を取るのはあきらめて、のこぎり鎌で十字に切り、植えました。米を育てている間は、それらの草の勢いは弱まり、あまり気になりませんでしたが、米は5畝程で10kも獲れませんでした。根をとるのに時間がかかって、田植えが遅くなってしまった為だと思います。その後作、3畝で麦を作りましたが、麦を作っているところだけは、萱などあまり育ちませんでしたが、それ以外は再びイグサが伸びました。萱やススキは少し減り、麦は30kくらい獲れました。

 

2年目 麦を作ったところは、麦やイグサを刈るだけでそのまま植えることができました。それ以外のところは、土ギリギリで草を刈り取り、植えるところにのこぎり鎌を深く挿して根を切り、植えました。それでも1反植えるのに2人で、延べ1か月かかってしまいました。(仕事の合間に行っているため)

畝が高いため、水の管理も難しく、成長期に十分な水をあげることが出来ない田なのでまめに水を入れましたが、あとから植えたものは、花は咲いても実が育ちませんでした。お米は60キロくらい獲れました。その後、古代小麦を蒔きましたが発芽せず、この年は、畝の高さの調整をしました。

 

3年目 冬期に何も作りませんでしたが、気になるほどのイグサや萱の伸びはありませんでした。替わりに、セリなど地を覆うタイプの草の勢力が強くなりました。田植え後の草の勢力が強く、草刈が大変でした。しかし、育ちはこれまで以上によかったです。高さの調整をした畝に限っては、実入りが悪かったです。しかし、イノシシが入ってしまい、ほとんど収穫できませんでした。

 

解決策というより、迷いや失敗の多い経験ですが、何か参考になればと思い、投稿させていただきます。

(2017/1/20 千葉県 Mさん投稿)

 

 →この体験談は、「菖蒲やイグサが宿根を張っている田んぼを借りた」へ、掲載いたしました。(2017/1/25)

・稲が倒伏する

神丹穂(赤米)がほぼ100%、倒伏しました。

その他、バスマティライス、ハツシモ、アサヒ、ジャポニカ種の香り米も、溝の際に生えている株を中心に、所々倒伏がみられました。

逆に、トヨサト、緑米、タイの香り米は全く倒伏しませんでした。

神丹穂は背が高め、茎が細めで、長いノギがあり、刈った株を手に持つと穂がずっしりとしているので、倒伏しやすい姿だなと感じました。

バスマティライスは茎が細くて、穂が充実、ハツシモ、アサヒは背が高め、ジャポニカ種の香り米はとても背が高くなるので、それぞれ倒伏しやすい姿だと感じました。

 

育ち具合は良好で、分けつもしっかりしていました。

田んぼは自然農1年目で、その前2年間休耕、その前は慣行農法で稲作がされていました。

水はよく入り、陽当たりも良好です。

 

神丹穂の種おろし4月26日、田植え7月2日、7月初旬~8月初旬に草刈り(2 回)、9月下旬頃にお米が実ってから倒伏しだして、神丹穂の稲刈りをした11月23日の時点ではほぼ全ての株が倒れていました。

苗の育ちがよく、神丹穂の田植えをした7月2日にはだいぶ大きくなってしまっていたので、苗床からとるときに根を損ねてしまったかなという印象があります。

もう少し苗が小さい時に田植えができたら、ダメージが少なく、根がよくはって倒伏が減るかもしれない、と考えています。(2017/1/17 奈良県 Fさん投稿)

 

 →この体験談は、「稲が倒伏する」へ、掲載いたしました。(2017/1/21)

・蒟蒻(こんにゃく)芋の保存

コンニャク芋を沢山収穫できたのですが、保存の仕方が分かりません。(2017/1/10 京都府 小島宏和さん投稿)

 

 →この体験談は、「蒟蒻(こんにゃく)芋の保存」へ、掲載いたしました。(2017/1/19)

・ゴボウの収穫

さっきゴボウを収穫しながら気になったことです。

かなり深いところまで掘らないと、収穫できなかったのですが、結果として耕してしまったようにおもいます。自然農的に考えてあまりしないほうがいいことのようにも思いますが、どうなのでしょうか?

それと、できるだけゴボウの周囲の土をいじらないで収穫できる方法などございましたら教えてください。

ちなみに自分は、スコップと子供が砂遊びで使うようなシャベルを使って収穫しました。(2017/1/9 京都府 木津川市Sさん投稿)

 

 →この体験談は、「ゴボウの収穫」へ、掲載いたしました。(2017/1/19)

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