第22回 妙なる畑の会 全国実践者の集い -事例集-

1.初期における地力不足の問題、補いについて

【事例1-1】畑の土がもっと肥えて、キャベツや玉ねぎなど大きく育てて収穫したいが、なかなか肥えていかない。田んぼに比べて持ち出す(収穫)する物も多いので肥えにくいものなのか。畑の外から何か持ち込んで肥やしていらっしゃる方はいるのでしょうか。大きく育てたいと思っていることが間違いなのでしょうか。知りたいです。よろしくお願いします。(鹿児島県 Hさん、約7年目)

 

【事例1-2】地力を上げるためどのようにしたらよいでしょうか? 昨年は、たい肥と米ぬかで補いました。(愛知県 Nさん、約5年目)

 

【事例1-3】小笹とすすきばかりの畑。何を植えても播いても大きくはならない。モグラも通らない。種播き時、移植時に、スコップを深くさして根切りをつづけた。夏でも笹さえもあまり成長しないので、土がやせていると考え、毎週ぬか+油カスを与えた結果、冬の始まりに初めてモグラの穴(通ったあと)をみつけた。冬になり、先週のぬか+油カスがまだ残っている(分解されていない)ので、補いすぎないよう、見守りたいと思っています。(大阪市 Oさん、約1年目)

 

【事例1-4】耕していた土地を切り変えたので地力不足が当初は大きな課題でした。冬の間に米ヌカなどを施すことによりなんとか作付できました。様子を見ながら数年~10年くらいでほぼなくしました。田んぼは3年でなくしたように記憶しています。

 補いを多く使っている時は、虫害病気が多く出て困りました。ほぼ無肥料に近づくにつれ生産は安定してきたと思います。健康な姿を明らかにするということの大事さに思い至ったのもこのような経験の中からです。

 補いについては、慎重で、長くほぼ使わないくらいできています。ただこのところ草の管理が回るようになったこともあるのでしょう、少し地力不足を感じることが有ります。自然の営みに任せつつ補いをどうするかは今後の課題です。 (徳島県 Oさん)

 

【事例1-5】約1反3畝。自然農に切り代えてすぐ(自然農の畝作りをして)の年から大豆やサツマイモなど肥料分が比較的少なくとも育つ作物はそれなりに育つのですが、ナスや玉ネギなど比較的肥料分を多く必要とする作物は、なかなか大きくならず(1株にナス1コだけ・・・ビー玉のような玉ねぎ・・・)、大根や人参、カボチャなどは、とても美しく育つものもあれば、エンピツのような大根や人参になることがあります。基本的には、養分が不足している(養分を多く必要とする作物にとっては)と思うのですが、刈った畦草や、家庭からの生ゴミ、米ヌカなどをはじめは補いつつ、やっていけば、それらの問題は解決するのでしょうか。近隣の農家さんからは、ボカシ肥料をもっと沢山入れれば早く土は豊かになると言われます。実際作物のできはよくなりそうですが、土にとっては逆に自然な豊かな状態への変化を妨げたり、別の問題を引き起こすことにならないか、そのへんのところをお聞きできましたらありがたいです。(福島県 Aさん、約4年目)

 

【事例1-6】まだまだ豊かな実りを常に得られてはいませんが、もみすりして出るヌカと、野菜くずの生ゴミ、極く少量の漁具甲殻類の骨、アラ、殻といった日々の食事からの生ゴミを戻して来ただけの畑でも、5年目には旺盛な豊かさを表す畝も出て来ました。農的くらしをする為の食物は充分にめぐんでもらえる事を確信しています。待つ事が出来ればそれが一番なのではないか?と想う今です。(岡山県 Hさん、約5年目)

 

【事例1-7】梅の初期(幼木期)の施肥に関して。(植え付け後、約1年目~5年目位まで)

・お野菜が十分育つような畑なら、無施肥でも大丈夫。

・しかし、(みなべ町の山の畑のように、元から梅の木が植えられていたような)痩せた土地だと、梅とはいえども生育が極めてゆっくりになるので、ウサギやシカ等の食害を受けやすくなる。幼木期にはそれなりの施肥をした方がいいのではないかと考えている。(和歌山県 Yさん)

 

【事例1-8】地力上昇を目的に、昨年11月に初めてエンバクを蒔きました。現在10~15センチまで成長しておりますが、どのように対処したら良いでしょうか。赤目塾でやっているように、刈り草として振りまくのがベストでしょうか(すき込むのが良いという人が多い)。省作業で効率的な方法を教えて下さい。(三重県 Hさん、約5年目)

 

【事例1-9】自然農では、初年から3~4年は土壌づくりに専念し、ひたすら草を刈り取っては敷くことを繰り返す。愚直に見えるこの行為が、やがては実りを手にすることが出来る最良の方法だと確信している。(奈良県 Oさん)

 

【事例1-10】葉物野菜がなかなかうまく作れない。土が未だ出来ていないと考え、今年、畝間の溝にエンバクやライ麦などを播き、緑肥として刈り取り、土作りに励もうと考えている。さつま芋の後の土が細かくなっており、さつま芋を前作や土作りに活用しようと考えている。(鹿児島県 Kさん、約5年目)

 

【事例1-11】山の中の休耕田をお借りして、畑を始めました。背丈ほどのよもぎとスギナしか生えておらず、最初は畝も作らず大豆を蒔いてみましたが、20センチほどしか伸びず、さやも小さい小さいのが数個ついただけでした。よもぎの宿根の大きいものは取り除き、(豆でも全然栄養がなければ育たないと教わり)補いをあげるようにしたら、次の年には葉もよく繁り実も沢山つきました。その代わり半分以上をさやに入る虫に食べられました。その次の年には虫が大発生しないようにと繁り過ぎた葉をせっせと刈っていたせいか、雨が少なかったせいか実の入りが悪かったです。まだまだ試行錯誤しながらです。(富山県 Mさん、約3年目)

 

【事例1-12】虫の害、姿が小さいもの、量が少ないものがある。→秋まきの場合は適期まきが一番、虫の害が少なかった。補いがまだよくわかってないので、今年はがんばりたい。(東京都 Sさん、約18年目)

事例1>2