第22回 妙なる畑の会 全国実践者の集い -事例集-

5.田んぼにおける草との関係、作業効率について

【事例5-1】3年目位から田んぼ一面にチクゴスズメノヒエ(キシュウスズメノヒエの変種)やアシカキが繁茂し、これにイネが負けるため30~50%程度減収しました。これに対して、徹底した草管理と田植え時にこれらの草の宿根を取り除くことで対応しましたが、十分な効果を得るには至っていません。これらの対策を更に徹底することにより、一層の効果が得られる可能性はありますが、この場合は作付面積を減らさざる得ません。現在はこれらの対策の他に、田の一部を休耕にして夏季に乾田とし、これらの草の勢いが弱まる数年後に水田に戻すという試みを行っています。現在2年が経過しておりますが、これらの草の勢いはだいぶ弱まっていると感じています。(静岡県 Tさん、約10年目)

 

【事例5-2】問題:2年目に収量の落ち込みが大きかった。3~5年目にかけては年々田が豊かになっていく(亡がらの層が形成されていく)事は実感しているが、草の勢いも強くなり、稲の株の成長が妨げられている。特に、幼穂形成から開花の始まる前に草に負ける事が多い。

 解決法:田植から1ヶ月間の草の管理を徹底するだけでなく、6~7年目までは、株間を余り広げない事で草の生育スペースを制する。(早生短旱種は狭く、晩生でも長旱で株張り、分けつが盛んな種は広目に。)(岡山県 Hさん、約5年目)

 

【事例5-3】一部に葦が生い茂る田に、草を刈り田植えをしました。出穂までは、何度かの草刈りで葦を抑えていましたが、出穂後も葦が伸びてしまい、ひどいところはあまりお米が穫れませんでした。冬季にしっかりと田を乾かすことかと思いますが、今のところ解決していません。(石川県 Kさん、約3年目)

 

【事例5-4】始めた当初は土地が固く、4~5反にわたり「手ガナ」で植穴を掘ることが困難でした。そこで溶接の得意な方にお願いして鉄棒にて1度に4つの植穴を空けられる道具を作ってもらい、それで植穴を空けて植えました。ずいぶんと調法しましたが、数年で土地が柔らかくなり不要となりました。

 田植を適期に終わらせることはずっと課題です。いろいろ道具を工夫しましたが、簡単な定規を作り、いくぶん早く田植えを進められるようになりました。

 数年で紀州スズメのヒエが田を被い、少し遅れると草の管理が不能となりました。そんな折、教えていただき、「ソリガナ」を使い早目にさっと草管理をして回るようにしたところ、わりに楽に茎数が確保できるようになったと思います。

 産業として、プロとして自然農を考える時、どうしても作業能率の問題が出てきます。適期に作業をすることは、生産を安定させるための基本だからです。いかに要領良くやるか。作業方法や道具の工夫は今後も必要だと思います。また最近では暑さや雨不足など異常気象への対応も大きな課題となってきています。(徳島県 Oさん)

 

【事例5-5】現在の面積、約1反5畝。田植えを終えてから数日経ったところから、草対策を行っています。具体的には、鋸鎌で苗の間の草を刈ります。イネ科の草や畑に生えるような草は根元から刈り、その場に敷いていけばいいと思いますが、水草が多く、刈って敷いてもすぐにまた根を張り(茎からも根が出ている)、イネの生長を妨げる要因になるので、少し土を削る感じで刈って逆さにして置いたり、丸めて置いたり、鎌で切り刻んで置いたりしています。丁寧に作業を行うと2回草刈りに入れればイネはとても良く育ってくれるのでいいのかもしれませんが、除草作業にかかる手間がかかり、なかなか面積を広くできない状況になっています。去年は作業にかかる時間を短くしたいとの思いから、鋸鎌の代わりに鍬を使って立ったまま草を根元あるいは少し土を削るくらいのところで刈る(切る)という方法を試しました。作業の進むスピードはあがりました。ただ、鋸鎌でやるよりは雑になるので株の周囲の草がとりにくかったり、イネを傷つけることもありました。鍬だと作業スピードは上がり、2回草刈りに入れればイネはそれなりに育つ印象でした。ただ、少し丁寧さに欠ける点や、土を削ることになるので、亡骸の層の形成にとってあまりよくないのではないかというところが気にかかります。先輩方は、草刈りホーを使う方法をとられていて、とても良さそうだと思い、試したのですが、切れ味がすぐに悪くなり、なかなか研ぐ時間も作れず(改善の余地はあります)、ホーはあまり使わなかったです。水草であっても恐れず、刈って敷くだけでも大丈夫なのか(鋸鎌での作業でできる面積で十分と思える心が必要なのか)、鋸鎌以外で、もっと効率的な草対策の方法がありましたらお聞きしたいです。

 また草対策と同様に田植えにも時間がかかるので、その作業時間短縮も課題です。1枚の田んぼの田植えを考えても、最初に植えたところと最後に植えたところでは1~2週間くらいの時間差があり、最初に植えたところの草刈りが田植え中に必要になってしまうこともあります。

 去年は少しだけ対策として、植え穴を鋸鎌で1ヶ所1ヶ所作るのでなく、鍬を使って「植える部分の草をはがし、穴をあける」という作業をあらかじめ先にやってから、そこに苗を植えるという方法をとりました。立ったまま作業もできるので、少しは効率が上がったと思います。ただここでも丁寧さに欠ける点もあり、深く穴を空けすぎたり土を必要最小限より多く削ってしまったり、今後亡骸の層が増えてきた時にも、はたしてできる方法なのかという疑問もあります。皆様の効率的な田植えへの取り組みをお聞きできましたらありがたいです。

 1つ1つの作業の仕方によっての効率化もありますが、僕がやらせていただいている田んぼでは、田植えや、草取りの時にお手伝いに来て下さる方々がいます。とてもありがたいです。料理が好きなので、お昼ごはんを作って、お礼に食べていただいています。作業を手伝っていただくと僕も助かりますし、その方々もいい経験になったと言って下さいます。お互いに楽しく続けていけたらいいなと考えています。関わる人たちによって良好なことなら、皆で農作業をするという方法は、効率を上げるためにも良い方法だと思っています。(福島県 Aさん、約2年目)

 

【事例5-6】棚田における田の草の処し方について。これまでは、冬~春にかけて田の草刈りはしていなかったので、田植前の5月頃には草の背丈もかなり伸びて、草刈りに労力を費やしています。1年めはせいたかあわだち草、2年めはミゾソバが盛り上がるように伸び、3年めはキツネノボタンが勢いを増していました。田植え後も水が少なかったせいか一面に広がってしまい、冬には一旦地上部は枯れたようですが、今の季節地表に広がっています。今年は2月から田の草刈りを始めたのですが、効果があるのかわかりません。山の棚田で水もれ対策も必要と思われますが、いい知恵や注意点などあれば教えて下さい。(長崎県 Kさん、約4年目)

 

【事例5-7】田植えのち、開花までに2度草刈りに入ったのですが、開花後、ぐんぐん伸びてくる草(植えていない天のもえの米)に覆われて、熟すことのできなかったお米が一部ありました。→開花直前に、草刈りに入ることが大事だと実感しました。今年は、植えた苗をしっかりと見守り、手を貸す、落ち着いて田に立ちたいと思います。(福岡県 Rさん、約2年目)

 

【事例5-8】問題:稲の分蘖が悪く育たない。草に負けてる。水が十分に行きわたっていない。

 解決法:草とり小まめに多くする。畔塗をきちんとやって水ぬけを防ぐ。常時水がやれるように水管理をする。(奈良県 Aさん、約4年目)

 

【事例5-9】十年程耕作されていなかった田んぼを購入しました。セイタカアワダチ草やススキが2メートル位育っています。ノコギリ鎌で草を刈りましたが、刈った草が多いのでどうすればいいのか考えています。燃やす(田のすみで)と問題(土にとって)がありますか?

 未だこれからというところなので解決法はありませんが、実践者の皆さんがどのようにはじめられたのかお話をきかせて頂きたく思っています。(千葉県 Hさん、約1年目)

 

【事例5-10】田植えと除草の軽減:冬期湛水、不耕起での栽培(H24年10月~)。土が十分柔らかくなくて、機械で代かきを実施(2年目の今年に期待)。深水管理のため、草はほとんど気にならず(生えず)。大きい草だけ除草。収量は反収420キログラムで上々です(5畝のため、210キログラム)。

 課題:冬期に水がある条件が必須。畔塗は水を入れる秋と、田植えまえの修復が必要(水がたまらず苦労しました)。なお、冬の麦等は植えられない。

 メリット:冬鳥やトンボ、蛙などの生物が多様に住んでくれるようです。(奈良県 Mさん、約2年目)

 

【事例5-11】稲(コシヒカリ)が草に負けている。8畝の田圃の草取りに多大の時間を要している。一つの解決策として1区画を冬季湛水し、除草効果を確認している。(茨城県 Iさん、約10年目)

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