第22回 妙なる畑の会 全国実践者の集い -事例集-

12.虫の害

《田んぼにおける虫の害》

【事例12-1】苗代の籾がケラ(と思われる)に食べられて、苗数が確保できない。5年目頃より被害が増え、昨年は約8割の苗で被害があった。鳥や発芽障害の可能性は無い。現在は自宅で箱苗を作り間に合わせているが、根本的対策となっていない。(静岡県 Tさん、約10年目)

 

【事例12-2】苗床を水不足でオケラにやられた。:1カ月遅れで芽出しして、つくりなおしました。オケラ対策として、周囲に板などを地中に埋めてふせいだら効果があった。苗床の時期に、雨がない場合は、水の補いが必要。(東京都 Sさん、約3年目)

 

【事例12-3】お米の種降ろし・・・おけらの被害をいかに少なくするか。

 お米作り1年目、赤目の上の田で2回、赤米の種降ろしをしたが2回ともほとんどおけらに食べられ、苗をもらう。2年目、吉野郡入野に田んぼを借りる。適期に種降ろしするが、とよさとは70%ぐらい、赤米40%ぐらい、おけらに食べられる。黒米と緑米は隣の田の苗床でほとんど被害無し。お米の種類か、場所が原因かわかりません。次にとよさとを発芽させ、おけらのいる湿った苗床に種降ろしする。70%以上苗が育ち、その苗も秋には豊作。発芽させることは、実りには影響無しと思われる。結果、おけら対策には、種籾を発芽させるのが効果があると思われるが、ただ一回の結果なので、何人かの試みが必要。(奈良県 Oさん、約2年目)

 

【事例12-4】問題:クモヘリカメムシの大発生で、お米が2年間全滅、3年目もほとんど実りませんでした。山間地の田んぼで、出穂から結実までの間に大発生するクモヘリカメムシがお米の汁を吸います。三重県の山間地の谷沿いの田んぼにて、3年連続で大発生し、ほとんどのお米が最後まで結実できませんでした。

 解決:カメムシ発生は8月中旬~9月中旬(お盆過ぎがピーク)なので、4年目は中生種を避け、晩生種(紫黒米・緑米・名前の分からない赤米。すべて餅米)のみにしぼって栽培したところ、大きな被害をふせぐことができ、それなりの収穫ができました。カメムシ発生のピークを避けた品種を選ぶことで、対応できることが分かりました。(三重県 Sさん、1年目~4年目)

 

【事例12-5】いわゆる湿地を利用した田んぼで、水路(水の取り入れ口)が整備されておりません。昨年、雨が少なく、ザリガニが大量発生し、出穂頃の稲が根元で切られてしまう害が多く見られました。今年は、とにかく「草刈りを適度に行い鳥に食べてもらう」「ザリガニ釣りを楽しむ」等の対応をしてみようと思っています。(茨城県 Kさん、約7年目)

 

 

《畑における虫の害》

【事例12-6】アブラナ科のダイコンサルハムシによる食害の問題・・・根本的な解決法はみつけれてなくてアブラナ科の栽培地を前年の場所とは大きく離すことでの対応。解決のヒントがほしいです。(岡山県 Oさん)

 

【事例12-7】大豆を6月下旬~7月上旬にかけて種まきしたが、2年続けて盆の後(1年目は8月16日ごろ、2年目は8月31日)にカメムシが大発生して、エダマメの状態で収穫するはめになっています。何かいい方法があれば教えてください。(滋賀県 Nさん、約3年目)

 

【事例12-8】虫害では厳寒期の葉ダニの被害が大きな問題となってきています。ほぼ無肥料にもかかわらず決まった場所では長く出ているようです。休ませたり、麦類の作付などをもっと積極的に取り入れたらどうかとも考えていますが、今後の課題となっています。

今でも思わぬ虫被害が有ったり、地力不足から充分育たず、思うように出荷できない品目がしばしばできています。どのように見極め応じるかは今後も考えるべき課題です。(徳島県 Oさん)

 

【事例12-9】玉ネギをはじめ、ニンニクなどネギ類を食べる葉虫が常駐している(土手に野生のニラも生えているので)ので、秋定植後は成虫を、春先から幼虫をとる。(山梨県 Mさん、約20年目)

 

【事例12-10】7、8年前より、巻貝が出現しましたが(温暖化の影響)、昨年の9月頃より従来の立て型ではなく、カタツムリのような丸い貝の小さいもの(直径0.2~1.5センチくらい)が大発生して、植えた苗も一晩で食べられ、まいた種も双葉の時に食べられるというような状況がおこりました。つぶすこともなく、野菜の成長が勝るだろうと思っていたのですが、とにかく品種に関係なく食べられ、やっと11月中旬より撤去しはじめました。12月下旬より寒くなりほとんど見かけなくなりましたが、初めての体験でびっくりしています(福岡市南区花畑)。今年は、見かけたらとりのぞく、種まきの時、すこし草を少な目にするという方法でやってみようと思います。また、うねの水はけ、風通しも気をつけたいです。(福岡県 Mさん、約20年目)

 

【事例12-11】白菜やブロッコリーなど害虫が多くつきやすいですが、何か防ぐ方法はないでしょうか? 昨年は、油かす(身体に悪いときいたので)をまかずに(肥料せず)、白菜、ブロッコリーなど苗で植えた所、多少の虫くいはつきましたが、大きく育ちました。油かす以外に与える肥料は、米ぬか以外何かよい(地力上げる)ものは、ないでしょうか?(愛知県 Nさん、約5年目)

 

【事例12-12】(畑において)虫にほとんど食べられてしまうので、解決法をさぐっている。(群馬県 Hさん、約2年目)

 

【事例12-13】家の庭はナメクジ害がすごいが、どうしたら良いか。(奈良県 Yさん、約7年目)

 

 

《果樹における虫の害》

【事例12-14】主に柑橘の栽培をしています。一番の問題はテッポウムシが入り木が弱っていくことです。対処方法としてはゴマダラカミキリ虫成虫を見つけたら捕殺し木に穴があいていてテッポウムシ(幼虫)が入っているようならほじくって捕殺しますがなかなか入ったものは見つけられません。

 今は自然栽培の講師である道法正徳さんの講習会に参加して切り上げ剪定を学んでいます。切り上げ剪定をして樹木すなわち土の中の根を元気にすることによってテッポウムシも入らなくなってくるそうです。春先の剪定と夏、秋の芽欠きを中心に作業しています。新しく植え付けた苗木については水分保持のためポリマルチを3年間は敷くというやり方も実践して苗木の芽がしっかり上を向くようにひもでくくり、葉っぱに着いた虫はその都度手で捕殺するようにしています。無農薬で栽培するためにはこの作業が重要になってきます。(広島県 Iさん、約4年目)

 

【事例12-15】果樹に入る芯喰い虫について、早目の発見、木クズが新鮮なうちなら虫を取り易いが、深く入ると、針金を差し込んだり、せっけん水を注入したりして、虫が出てきたらとる。(山梨県 Mさん)

 

【事例12-16】(果樹に)やはり虫がつきます。木酢で気長にやるしかないでしょうか?(三重県 Sさん、約4年目)

  

【事例12-17】梅はほとんど苦労せず(1、2年目は虫が大発生のみ)。ブルーベリー、ミカン類及び柿は虫も少なく苦労しらず。桃とフェイジョアは実がならずに諦めていたら、ひょっこり7年目に実がなり、収穫もできました。どのような加減かわかりませんが、本当にひょっこり出来るようになりました。夏に2~3度草を刈るだけでした。(奈良県 Mさん、約8年目)

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