第22回 妙なる畑の会 全国実践者の集い -事例集-

2.土質の問題(粘土質、湿地)

【事例2-1】奈良県にて、もともと田んぼであった場所に畝を立てて畑にして実践しております。実践4年目ですが、粘土質で晴天が続くと土が固くしまり、葉物も根菜も根の伸びが悪く生育も悪いようです。初めはその原因が地力不足なのだと思い、米ヌカ油カス半々のものを多めに施しました。しかしそうすると病虫害が増えただけで生育の悪さはそのまま変化なし。そのうえ収穫したものが苦くなりました。野菜が苦くなる原因のひとつに窒素過多があると聞き、米ヌカ油カスは充分足りていたのだと思いました。それでも生育が悪いので、土が固くしまりすぎて根が伸びにくいので生育が悪いのかと考えています。長年不耕起を続けていけば徐々に柔らかい土になると思うのですが、そのような自然農に適した土に少しでも早くするには何か方法はないでしょうか? 自然農を始めても数年間は思ったように実りが得られずに諦めて他の農法に変えてしまう人も多いようなので、そういう人をへらす意味でも、粘土質土壌を少しでも早く柔らかい山の土のようにする方法があれば教えて頂きたいです。(大阪府 Yさん、約4年目)

 

【事例2-2】元々、田んぼであった土地を畑にしましたが、土質が粘土質で作物が育ちにくい。毎年、水はけを良くする様、周りの溝掘りをするのだが、土質までは変えられないのだなあ・・・と思っている。特にイモ類や葉物野菜の育ちが悪く、最近では「育てばラッキー、育たないのは当然だ・・・」という気持ちになっている。去年の秋野菜は、育ち悪く、虫が付き、ほとんど全滅し、やる気を失ってしまった。(奈良県 Yさん、約7年目)

 

【事例2-3】重粘土質の畑ですので、排水をよくするために高畝にするのがよいとは分かっていても、畑を始めた頃はおっかなびっくりでそれほど高畝にもしませんでした。年々畝を高くしながら、それでも作物が育つということが分かり、今は場所によっては40センチほどの畝になっています。(石川県 Kさん、約4年目)

 

【事例2-4】太陽が1日3時間程しか当たらない山間部で、ねん土質で、斜面で、上4メートル程の所に水路がある。広さ3坪程。1年を通して少量多品目を作るにはどういう野菜が適していますか。里イモ、バジル、パセリ、ルッコラ辺りかなあと思っていますが、どうですか? あと、工夫としては畝を高くする、3坪程なので妥協してハウスにする。日照が少ないのをどうカバーすればいいですか?(大阪府 Tさん、約1年目)

 

【事例2-5】土手下の水はけの問題 ~赤目自然農塾の畑~

 ・土手下の水はけが悪く、常に水がたまっている状態で、よどみ、臭いも発していた。

 ・土手際の畝は、空気の通りが悪く、いつまでも粘土質で作物を育てにくかった(猪にも好かれていた)。

 対策:まこもをいただけたので、少し畝を掘りさげて植えてみた。

事例2-5

 その後:まこもは成長に多くの水を必要とする(本来水田で育てる)ためか、やがて水がたまらなくなって臭いもなくなった。まこもの恵みもいただけた。植えつけて6年たった今は水がたまらなくなったことでまこもの営みが衰えてきている。あるいは勢いがなくなってきたのは、水田とちがって毎年水が入らないことで連作障害となっているのかもしれない。いずれにしても、今のその場所に合った作物が育てば良いと思っている。

 思うこと:まこもはどんどん増えて広がってゆくので、周囲や作付をよく考えないといけない(成長期は姿も大きい)。私は広がりすぎたところや他の作物を育てたいときは笹と同じように考えて成長期に何回か刈って敷いている。まこも以外でも、くわいや里いもなども同様に考えられるのでは?とも思っている。(奈良県 Yさん、約8年目)

 

【事例2-6】 

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 3つの田合計で1畝。もともとなだらかな山の棚田のところに田と畑をお借りしています。問題は土手側の下層のところから水が少しずつしみでてくることです。しみ出てくるところをスコップで両脇を切って土を下に落として防ぐとすぐ隣からしばらくすると水がしみ出して切りがない感じです。どうしようか困っています。土手側は水が冷たく湿り多いせいか、田の半分はお米の育ちが少し悪い感じと麦はあきらかに育ちにくいです。(大阪府 Kさん、約2年目)

 

【事例2-7】陸稲なので雨が多い近年水があることはありがたいのですが、溜まってしまうのは困るので、水の流れを考えてゆく。溝の草の根のはり方をみてその都度解決する。(大阪府 Yさん、約20年目)

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